アラビア語アルファベットの発音を覚えよう~(09)ザール[ ذ ]

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(09) ザール [ ذ ]

ذَالٌ の発音

・有声・歯間・摩擦音(大阪大学 アラビア語独習コンテンツ)
・有声・歯・摩擦音(東京外国語大学 言語モジュール)

ذ 文字名 音価 IPA 月/太陽
ذَالٌ dhāl
ザール
dh ð 太陽

アルファベット名の発音
・[ dhāl ] [ ザール ](語末を省略する普通の読み方)
・[ dhālun ] [ ザールン ](格を示す語末母音も全部読んだ場合)

男声:プロのナレーターさんによる収録

女声:Amazon TTS Zeina

英語のtheやthatと同じ音で、舌を歯の間にはさんで出します。摩擦音なので、歯で舌をはさみこんだまま周囲のすき間に息を通して発音します。

カタカナ表記ではザ・ズィ・ズとするのが一般的ですが、za・zi・zuと混同しないよう要注意です。

母音との組み合わせ

+母音a +母音i +母音u
ذَ ذِ ذُ
dha [ ザ ] dhi [ ズィ ] dhu [ ズ ]

母音a、i、uを足すと、dha、dhi、dhuとなります。

口語での変化

口語ではしばしば د [ d ]、ز [ z ] の音に置き換わります。

動画で発音の方法を確認

アラブ人向けにクルアーン朗誦に必要となるフスハー的発音を教えるレッスン動画です。舌の先を置く場所が同じ ظ [ ẓ ] と ذ [ dh ] と ث [ th ] をまとめて解説しています。

ظ [ ẓ ] は舌の先を上と下の前歯の間にはさみます。歯ではさみこんだ舌の近く、歯茎の付近から息が漏れ出ることによって発声が行われます。舌の先端は前歯からはみ出し過ぎないように注意。強勢音なので、舌の根元付近が盛り上がって、لِسَانُ الْمِزْمار [ lisānu-l-mizmār ] [ リサーヌ・ル=ミズマール ](喉頭蓋)が少し後ろに動くことで息の通り道が狭まり、重々しい音に変わります。

2:22からは舌の位置は同じながら軽い音バージョンの ذ [ dh ] と ث [ th ] の発音方法について。動画はここから再生が始まるように調整してあります。

3:18の比較イラストは右側が ظ [ ẓ ] で左側が ذ [ dh ] と ث [ th ] になります。

違いは舌の根元が上に盛り上がっているか・いないか、舌の中央がくぼんでいるか・いないか、です。あと、四角で囲んであるように強勢化している ط [ ṭ ] では لِسَانُ الْمِزْمار [ lisānu-l-mizmār ] [ リサーヌ・ル=ミズマール ](喉頭蓋)が動き喉が少し狭くなっています。

同様の内容のレクチャーです。冒頭は色々な場所の名前の説明です。

ظ [ ẓ ] の発音は1:25ごろから説明が始まります。舌の先端を上下の前歯ではさみます。×がついているのは誤った発音で、舌を前歯の手前である口の中に残すことや舌を飛び出させすぎるのは間違いとなります。

2:13から ذ [ dh ] と ث [ th ] の説明。動画はここから再生が開始するように調整してあります。

3:01からの比較イラストは右側が ظ [ ẓ ] で、左側が ذ [ dh ] と ث [ th ] になります。黄色い四角で囲ってあるのは、喉頭蓋が少し後ろに動くか・動かないかの違いを示しています。

上と同じ内容のレクチャーです。

同様の内容のレクチャーです。

こちらは発音練習コースの画面とともにイラストを出している動画です。最初に発音サンプルがひたすら繰り返されます。後半はクルアーン朗誦における実例になります。