アラビア語アルファベットの発音を覚えよう～(04)サー[ ث ]

目次 / ا ب ت ث ج ح خ د ذ ر ز س ش ص ض ط ظ ع غ ف ق ك ل م ن ه و ي / ء ة ى

(04) サー [ ث ]

ثَاءٌ の発音

・無声・歯間・摩擦音（大阪大学 アラビア語独習コンテンツ）
・無声・歯・摩擦音（東京外国語大学 言語モジュール）

アルファベット名の発音
・[ thā’ ] [ サー(ゥ/ッ) ]（語末を省略する普通の読み方）
・[ thā’un ] [ サーウン ]（格を示す語末母音も全部読んだ場合）
＊エジプト式では「セッ」に近く聞こえます。

男声：プロのナレーターさんによる収録

女声：Amazon TTS Zeina

英語「think」や「thank you」の「th」と同じ音を示す子音です。舌先を歯ではさみ、空いている隙間からスーと息を出します。

日本語のカタカナ表記ではこのthを含む語がタ行（タ・ティ・トゥ）で表記されていることがありますが、方言の教科書を除いては読みガナとしてふってあってもその通りに発音しないよう注意が必要です。スタンダードな表記はサ行（サ・スィ・ス）となっていますが、sと区別して舌を歯にはさむのを忘れないようにします。

口語での変化

アラビア語の口語では ث [ th ] が ت [ t ]に置き換わること（3＝サラーサ→タラータ）や س [ s ]に置き換わることがあります。

母音との組み合わせ

母音a、i、uを足すと、舌を歯にはさみながらのtha、thi、thuとなります。

動画で発音の方法を確認

アラブ人向けにクルアーン朗誦に必要となるフスハー的発音を教えるレッスン動画です。舌の先を置く場所が同じ ظ [ ẓ ] と ذ [ dh ] と ث [ th ] をまとめて解説。再生は ذ [ dh ] と ث [ th ] のところから始まるよう調整してあります。

ظ [ ẓ ] は舌の先を上と下の前歯の間にはさみます。歯ではさみこんだ舌の近く、歯茎の付近から息が漏れ出ることによって発声が行われます。舌の先端は前歯からはみ出し過ぎないように注意。強勢音なので、舌の根元付近が盛り上がって、لِسَانُ الْمِزْمار [ lisānu-l-mizmār ] [ リサーヌ・ル＝ミズマール ]（喉頭蓋）が少し後ろに動くことで息の通り道が狭まり、重々しい音に変わります。

2:08からは舌の位置は同じながら軽い音バージョンの ذ [ dh ] と ث [ th ] の発音方法について。3:02ごろに出てくる比較イラストは、右側が ظ [ ẓ ] で、左側が ذ [ dh ] と ث [ th ] になります。違いは舌の根元が上に盛り上がっているか・いないかです。

同様の内容のレクチャーです。冒頭は色々な場所の名前の説明です。

ظ [ ẓ ] の発音は1:29ごろから説明が始まります。舌の先端を上下の前歯ではさみます。×がついているのは誤った発音で、舌を前歯の手前である口の中に残すことや舌を飛び出させすぎるのは間違いとなります。

2:22から ذ [ dh ] と ث [ th ] の説明。3:18からの比較イラストは右側が ظ [ ẓ ] で、左側が ذ [ dh ] と ث [ th ] になります。黄色い四角で囲ってあるのは、لِسَانُ الْمِزْمار [ lisānu-l-mizmār ] [ リサーヌ・ル＝ミズマール ]（喉頭蓋）が少し後ろに動くか・動かないかの違いを示しています。

調音部位のイラストとあわせてクルアーン朗誦における ث [ th ] 発音の確認をするムスリム向けレッスンビデオです。