アラビア語アルファベットの発音を覚えよう~(07)ハー[ خ ]

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(07) ハー [ خ ]

خَاءٌ の発音

・無声・軟口蓋・摩擦音(大阪大学 アラビア語独習コンテンツ)
・無声・口蓋垂・摩擦音(東京外国語大学 言語モジュール)

*欧米や日本の学習書では軟口蓋摩擦音と書かれているものと口蓋垂摩擦音と書かれているものとに分かれます。

خ 文字名 音価 IPA 月/太陽
خَاءٌ khā’
ハー
kh x

アルファベット名の発音
・[ khā’ ] [ ハー(ゥ/ッ) ](語末を省略する普通の読み方)
・[ khā’un ] [ ハーウン ](格を示す語末母音も全部読んだ場合)

男声1:プロのナレーターさんによる収録

男声2:Microsoft Azure Text to Speech Bassel

女声1:Amazon TTS Zeina

女声2:Microsoft Azure Text to Speech Rana

kでもhでもない音です。舌の奥をのどひこ(のどち◯こ)の辺りに接近させ、空気の通り道を非常に狭くして出すハのかすれた音です。

猫が大口を開けて威嚇する時のハーッという音や、痰を吐く時のカーッという音をイメージすると良いです。ただし舌の奥を押し当てすぎていびきの音になるのは摩擦過多のやりすぎになるためアラブ人向けの発音教室ではNGだとされています。

なお上のサンプルでは男性のナレーターさんはかなりはっきりこすれる音を出している感じです。(かすれ具合に個人差が出やすい字なのとZeinaの音声が摩擦少なめなのでサンプル音声を多めに掲載してみました。クルアーン朗誦における厳密な発音については動画レッスンのところで確認願います。)

母音との組み合わせ

+母音a +母音i +母音u
خَ خِ خُ
kha [ ハ ] khi [ ヒ ] khu [ フ ]

母音a、i、uを足すと、kha、khi、khuとなります。

kでもhでもない、かすれてこすれた音を出しながら母音を足していきます。

このkha・khi・khuをカ行でカタカナ表記してカ・キ・クとする人もいますが、アラビア語をやっている人達はハ・ヒ・フでカタカナ表記するのが普通です。

動画で発音の方法を確認

アラブ人向けにクルアーン朗誦に必要となるフスハー的発音を教えるレッスン動画です。الْحَلْق [ ’al-ḥalq ] [ アル=ハルク ](喉)から出す子音をひとまとめにした動画なので、خ [ kh ] 部分から再生が開始するように設定してあります。

خ [ kh ] は6:21で白丸○が図示している通り、舌を近づける上あごの位置が黒丸●が غ [ gh ] よりも少し上になります。خ [ kh ] では舌の根元部分を軟口蓋(のどひこ/のどち◯こ上の柔らかい場所)に接近させて息の通り道を狭くします。

舌の奥(舌の根元部分)を اَلْحَنَك اللَّحْمِيّ [ ’al-ḥanaku-l-laḥmī(y) ] [ アル=ハナク・ッ=ラフミー/ラハミー ](軟口蓋)(のどひこ/のどち◯この上の柔らかい部分)に接近させ摩擦を起こす خ の発音方法がイラストでも示されています。

6:30で拡大された喉のすき間を黒い矢印が通過している通り、狭くはしますが息を完全にふさぐ閉鎖は起きません。

6:38で赤い矢印が両側からはさんで表示しているのは接近し過ぎていびきのようにかすれた音が出て يَخْرُجُ [ yakhruju ] [ ヤフルジュ ] が摩擦過多で [ ヤグルジュ ] に近くなってしまっている悪い例を示しています。(画面右上に赤い×マークがついているのは間違った方法のため。)

舌の奥をくっつけすぎると摩擦が過度になって شَخِير [ shakhīr ] [ シャヒール ](いびき)の音になってしまうのでやってはいけないとのことです。こすれすぎていびきのような音が出てしまうのはアラビア語の خ [ kh ] の音ではないのですべきではないと強調。

クルアーン朗誦学専門家によるレクチャーです。内容は上と同じです。

なお0:46付近の يَخْرُجُ [ yakhruju ] [ ヤフルジュ ] は摩擦過多でいびきのようになってしまった悪い例なので真似しないよう要注意です。

こちらは発音練習コースの画面とともにイラストを出している動画です。最初に発音サンプルがひたすら繰り返されます。後半はクルアーン朗誦における実例になります。