アラビア文字の書き方を覚えよう~基礎編目次

目次 / ا ب ت ث ج ح خ د ذ ر ز س ش ص ض ط ظ ع غ ف ق ك ل م ن ه و ي / ء ة ى لا

日本で過去に発売された20~30ほどの学習書をチェックしてメジャーな書き順をまとめました。2通りに分かれている場合は「学習書によってはこちらが載っています」と注意書きを添えた上で両方収録してあります。

アラビア文字と形状の一覧

01~28がアラビア語のアルファベットです。★はアルファベットの文字から派生した変形バージョンです。詳細欄の数字や記号をクリックすると個別のページに移動します。

*英語圏でも日本でも現行のアラビア文字配列は「アラビア語のアルファベット(Arabic Alphabet)」と表現するのが一般的です。母音字が無いので厳密にはアブジャドと呼ぶべきなのですが、アラビア語はアブジャド配列から今のアリフバー配列に変更になったという経緯があります。それもありアルファベットと呼ぶのが一般化しています。

アラビア文字部分はWeb用のフォントなので実際に書くときとは凹凸が少し違って見えます。

接続形 独立形 読み 詳細
語末 語中 語頭
ـا ـا ا ا ’alif
アリフ
01
ـب ـبـ بـ ب bā’
バー
02
ـت ـتـ تـ ت tā’
ター
03
ـث ـثـ ثـ ث thā’
サー
04
ـج ـجـ جـ ج jīm
ジーム
05
ـح ـحـ حـ ح ḥā’
ハー
06
ـخ ـخـ خـ خ khā’
ハー
07
ـد ـد د د dāl
ダール
08
ـذ ـذ ذ ذ dhāl
ザール
09
ـر ـر ر ر rā’
ラー
10
ـز ـز ز ز zāy
ザーイ
11
ـس ـسـ سـ س sīn
スィーン
12
ـش ـشـ شـ ش shīn
シーン
13
ـص ـصـ صـ ص ṣād
サード
14
ـض ـضـ ضـ ض ḍād
ダード
15
ـط ـطـ طـ ط ṭā’
ター
16
ـظ ـظـ ظـ ظ ẓā’
ザー
17
ـع ـعـ عـ ع ‘ayn / ‘ain
アイン
18
ـغ ـغـ غـ غ ghayn / ghain
ガイン
19
ـف ـفـ فـ ف fā’
ファー
20
ـق ـقـ قـ ق qāf
カーフ
21
ـك ـكـ كـ ك kāf
カーフ
22
ـل ـلـ لـ ل lām
ラーム
23
ـم ـمـ مـ م mīm
ミーム
24
ـن ـنـ نـ ن nūn
ヌーン
25
ـه ـهـ هـ ه hā’
ハー
26
ـو ـو و و wāw
ワーウ
27
ـي ـيـ يـ ي yā’
ヤー
28
ـئ ـؤ
ـأ ء
ـئـ ـؤ
ـأ ء
أ  إ ء hamza(h)
ハムザ
ـة ة tā’ marbūṭa(h)
ター・マルブータ
ـى ى ’alif maqṣūra(h)
アリフ・マクスーラ
ـلا ـلا لا  لا lām(u)-’alif
ラーム-アリフ
(合字)

アラビア語アルファベットに関する注意点

アルファベットの文字数は28か29が定説

日本ではアラビア語の紹介で28や29以外にも「アラビア語アルファベットの文字数は30です」とか「31」などと書かれていることがありますが、アラブの文法学では28もしくは29文字が定説です。

上の表で★や■と書いてある文字はいずれもメインとなるアルファベットから派生した変形バージョンのようなものなのでアルファベットの文字数には含めません。なので30や31などではなく28か29とするのが適切だと思われます。

合字ラーム-アリフ

ラーム-アリフは2つのアルファベットが合わさって1文字扱いされる合字です。アルファベット29個説でアリフを示す合字として数える派と、含めずにアルファベットはあくまで28個だとする派があるため、ここでは括弧でくくって(★)としてあります。

この合字ラーム-アリフのメイン部分はアリフで、長母音のアリフが無母音で単独では発音できないために ل [ lām ] [ ラーム ] がペアとして選ばれセットで登場させられているものだとか。

アルファベット29個説ではラーム-アリフが長母音を形成する他の弱文字 وي とセットで登場。アルファベット順の最終盤でその2文字にはさまれた28番目として登場。一方ハムザが1文字目に台座のアリフとセットで登場するという見方をするとのこと。アラブ人向けの文法・クルアーン朗誦学レクチャーだと「1文字目の実体はハムザでアリフと呼んでいるのは便宜上のこと。」という説明が出てきます。

古いセム語方式アルファベット順アブジャド

このアルファベット順は似た文字を集めたもので、元々のアルファベット順を並べ替えて作られました。

変更される前はアラム語のアルファベット順に準拠したアブジャドの方が使われていました。詳しくは『アラビア語アルファベットの書き方と読み方のしくみ』にて紹介しています。

本で項目を数える際、日本における「い・ろ・は・に」のように項目名として使われることが現代でもしばしば行われています。アリフ・バーの順番に慣れた頃に覚えると便利です。