目次 / ا ب ت ث ج ح خ د ذ ر ز س ش ص ض ط ظ ع غ ف ق ك ل م ن ه و ي / ء ة ى لا
[ hamza(h) ] [ ハムザ ] の形と書き順を覚えよう
単語の中での形
接続形 | 独立形 | ||
---|---|---|---|
単語の最後 | 単語の途中 | 単語の先頭 | 単独の時 |
ـئ ـؤ ـأ ء |
ـئـ ـؤ ـأ ء |
أ إ | ء |
-△- 語中の ـئـ だけは次の字とつなげられる -△-
ハムザは単独で書かれる他、ا [ ’alif ] [ アリフ ]、و [ wāw ] [ ワーウ ]、点の無い ي [ yā’ ] [ ヤー ] と組み合わせて書かれます。
書き順
独立形
書き方1
● 基本線の上からスタート。基本線の上にcの字を書きます。
● cの字の下に/を書いて、基本線の辺りを終点とします。
*日本語で書かれた学習書では、cの字を書いたらいったんペンを紙から離す書き方と、離さずに一筆で書く方法とが教えられておりまちまちです。
一筆書きバージョン
一筆で書く書き順のみ掲載している学習書もあります。上のc部分を書いたらそのまま鉛筆紙から離さず下の斜め線まで一気に書いて完成です。
単語の中での形
台となる ا [ ’alif ] [ アリフ ]、و [ wāw ] [ ワーウ ]、点の無い ي [ yā’ ] [ ヤー ] をルール通りに書いたら、後からハムザを上に乗せます。
إِ
[ ’i ] [ イ ]
語頭で母音iがついて [ ’i ] [ イ ] となる時は上ではなく文字の下にハムザがつきます。
*ハムザがアリフの上について、ハムザとアリフの間に母音「i」を示す母音記号のカスラが書かれることもあります。
書き順をオリジナル動画で確認
単独の時
YouTube版~単独の時
ハムザはアラビア語のアルファベットに含む?含まない?
ハムザとアリフのアルファベット順における位置
ハムザは後から整備された文字なので、アルファベットが全部で28個あるとする見方をする場合には「ハムザ」という名前の文字は含まれていません。日本で発売されているアラビア語学習書で通常ハムザが欄外に書かれているのはそのためです。
しかしハムザの扱いには色々あって、アラブ世界の文法学講義では
- 1文字目のアリフが音価を持たない長母音アリフと声門閉鎖音/声門破裂音ハムザを兼ねている。
- 1文字目はアリフを呼ばれているだけで実体としてはハムザで、長母音アリフは لا [ lām(u-)’alif ] [ ラーム-アリフ ](ラーム-アリフ、ラームアリフ、ラーム=アリフ)という合字の形で弱文字である و と ي の仲間として最後の方で登場。その2文字にはさまれた28番目に置かれる。
という話もしばしば登場します。
これらに従えば、アリフとハムザを切り分けず28文字とみなす学説でも、アリフとハムザを切り分け29文字とみなす学説でもハムザは1番目のアルファベットの位置を占めているということになる模様です。
しかしアラブ人向けの入門書や外国人向けの学習書ではこうした議論を反映しておらず、1文字目はただ単に ا [ ’alif ] [ アリフ ] とのみ書いてあることが普通です。
ハムザが後代になってから文字として追加された理由
ハムザはそもそも預言者ムハンマドのいた部族やアラビア半島西部ヒジャーズ地方の定住民(ハダル)たちは発音しておらず長母音化していたとされています。
クルアーンを文字として記録することになり正書法を整備していった過程で、ハムザを子音として発音していたアラビア半島東部ナジュド地方の遊牧民(ベドウィン)諸部族(タミーム族方言など)の特徴を後から統合したというのが定説です。
ハムザの考案と台座がある理由
発音する場所が喉の比較的近い場所にあることから、ع [ ‘ayn / ‘ain ] [ アイン ] の上部分を切り取った形として考案されたと言われています。
声門閉鎖音/声門破裂音ではなく長母音化していたクライシュ族のヒジャーズ方言に詩作のベースになっていた東部他地域のつづり規則を統合させたたことで生まれた文字なので、أ ئ ؤ のように色々な台座に小さな ء [ hamza(h) ] [ ハムザ ] が乗せられた形で表記される複雑なシステムとなっています。