編:学研辞典編集部
アラビア語部分執筆協力:菅瀬 晶子、豊泉 麻衣子(敬称略)
出版社:学研プラス
初版:2005年
新装版:2016年
おすすめ度:★★☆☆☆
パレスチナ方言色が強く、スタンダードとは異なる独特なカタカナ表記や口語(話し言葉、方言)発音とは関係無い部分での母音つけ間違いが多いので要注意です。個人的には宝島社の『13ヶ国語対応! ファンタジー・ネーミング辞典EX』の方を推奨。
構成
英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語・ポルトガル語・オランダ語・ラテン語・ギリシャ語・ロシア語・中国語・韓国語(朝鮮語)・アラビア語での訳を並べたジャンル別用語集です。
「2016年に新装版が出ていますが内容は2005年の物と同一です」というレビューを見かけたので、どちらのバージョンを購入しても変わりは無さそうです。
辞典自体は50音順。ジャンル別索引のカテゴリーは「人・からだ・人生」「人の性質・思考・存在」「日常生活・家庭」「社会・職業・政治経済」「スポーツ・旅行・趣味」「動物・植物」「数・時間・空間・図形」「自然・天体・四季」「言葉・文化・芸術」。ギルドとか異世界といった語は収録されていないようです。ごく一般的な語学用単語集に近いラインナップなので、ファンタジーものや戦闘系の作品作りには向いていないかもしれません。
カタカナ表記
アラビア語部分は上にカタカナによる読みガナ、下に母音記号なしのアラビア文字が書いてあります。カタカナ表記についてはおおむね問題はありませんが、アラブ世界共通の文語という基準から見ると色々な違和感があります。
実際の発音に即したカタカナ表記にされたとのことですが、監修の先生が学ばれたパレスチナ方言での名称や読み方が多い点、方言とは関係無くアラビア語的に読み間違いだと判断せざるを得ないカタカナルビが複数見られる点が気にかかりました。
管理人コメント
個人的にはネーミング辞典は人物・組織名の発音と設定した舞台との齟齬が生じないよう特定方言色を排除した標準語(=文語、正則アラビア語、フスハー)で統一するのが良いように思うので、誤字・スタンダートと異なるカタカナ表記・方言発音とは関係無い部分での母音つけ間違いの多さも加味して★2としました。
パレスチナが舞台のストーリーなら問題は少ないですが、日本国内の創作物はアラビア半島の砂漠地域が舞台のことが多いため大半のクリエイター側のニーズには合っていないかもしれません。
アラビア語をやっている人には文語・方言の二刀流、文語オンリーで方言は苦手、方言メインで文語が苦手なため標準語本来の語形を間違えて読みやすい、文語好きで敢えて方言を排除、方言が大好きで色々承知の上で全開にする派などがいます。
この本でパレスチナ方言色が強い理由は当方にはわかりませんが、この中のいずれかが原因になっているものと推察されます。実際の発音に沿うものにしたということですが、ここまで口語語彙・口語発音がメインであることを考えると方言辞典に近くなってしまっている気がします。
文語ともシリア・レバノン・パレスチナ方言とも違う読み方については編集に関わった方が耳で聴いてそう聴こえたのでその通りにカタカナ化したものだったのかもしれません。
方言とは関係無い部分でのアラビア語関連誤植や母音違いも混じっているので、アラビア語について何も知らないユーザーたちを対象としたネーミング辞典であることをふまえても正確性に関してはかなりの改訂が必要なのではないかと思われます。(大変失礼なコメントで申し訳無いです。)
気になった点、標準的カタカナ表記との対照表、正誤表
本書におけるカタカナ表記の特徴を示したものなので、全部を網羅したリストではありません。ご了承ください。
口語特有語彙が選ばれていることがある
アラビア語に見られる日用品・飲食物の名前の方言差が反映されており、各国共通標準アラビア語である文語ではなくパレスチナ近辺での名称が載っていることがあります。月の名前もシリア・レバノン式です。
おそらく監修者の先生が習得されたパレスチナ方言がベースになっているものと思われます。出身地が特定できる要因でもあるため、アラビア半島の砂漠に暮らす部族系アラブ人王子のキャラ名やせりふとして使ってしまうと大きな矛盾が出るので要注意です。
- アリスクリーム:بوظة(ブーザ)→ アーイス・クリーム آيس كريم
*ブーザはシリア~パレスチナ付近におけるアイスクリームの呼び名です。外来語にはなりますがアイスクリームの方が地域色が出ないので無難だと思います。 - 1月:カーヌーン・アッ・ターニー → 文語発音はカーヌーン・アッ=サーニー。エジプトなど他の地域ではヤナーイルです。これ以外の月の名前も全部レバノン・シリア地域における名称です。
- いちご:フレーズ → 文語ではファラーウラで、フレーズはシリア~レバノン地域での名称です。
- うれしい:マブスート → エジプトなどの方言でも使いますが口語的で、文語はマスルールとかになります。
- おじいちゃん:スィーディー → 文語:ジャッディー(他の地域だとスィーディーは我が主、旦那様的な意味になったりします)
- おばあちゃん:スィッティー → 文語:ジャッダティー(他の地域だとスィッティーは我が主、奥様的な意味になったりします)
- おやおや:アーザ
- 蚊:ヒスヒス → 文語:ナームース、バウード(ヒスヒスはパレスチナも含めたシリア・レバノン地域一帯での呼び名でهسهس=文語での元の意味はプーンとかブーンという音 と書きますがこの辞典ではحسحسとスペルミスがあります)
- きのこ:ファターリーシュ → ファカウ、フトゥルもしくはフトル(ファターリーシュはパレスチナの一方言での呼び名だそうです)
- キャベツ:マルフーフ → クルンブ(シリア~レバノン地域ではマルフーフです)
- ジャム:タトラ → ムラッバー(タトラはパレスチナなどの方言だとのこと)
- テレホンカード:テレカルト(イスラエル国内発売のテレホンカードの名称だとのことで、一般名称はビターカ・ハーティフ)
- トマト:バンドゥーラ → タマーティムなど(バナドゥーラ、バンドゥーラはシリア・レバノン周辺で一般的でどちらかというとタマーティムの方が標準語っぽいかもしれませんが、トマトの名称自体は地域差が大きくエジプトなどではウータと呼ばれたりします)
- 梨:ジャサース → クンマスラーもしくはイッジャース(本にはジャサースとありますが、パレスチナ方言はインジャースやンジャースだと紹介されていることが多くジャサースでは検索ヒットしなかったので、誤植かピンポイントで局地的な方言かのどちらかである可能性も考えられます)
- ねこちゃん:ビスビス(ビスビスは猫を呼ぶ時の「プスプス」という声・音を指します)
アラビア語表記のカタカナ化に関して
- 複合語において、定冠詞アルを「~・アル・~」としている場合と、アを脱落させて「~・ル・~」としている場合とがあり統一されていません。
- 名詞を形容詞が後ろから修飾している熟語で、名詞にも形容詞にも定冠詞アルをつけるべきところが名詞部分に定冠詞がついていないケースがあります。
- 南極:クトゥブ・アル・ジャヌウビー → アル=クトゥブ・(ア)ル=ジャヌービー(ジャヌウビーではなく [ janūbī(y) ] ジャヌービーと長母音が2箇所に入ります)
- 長母音アリフ+声門閉鎖音ハムザであるアリフ・マムドゥーダを「ー」「ーゥ」「ーッ」ではなく「ーア」と表記しており、女性化のター・マルブータがある場合の発音に近いカタカナ表記になっています。
- アラビア語の表記とカタカナルビが一致していないことがあります。複数の方が作業にあたっったのか似たようなつづりのアラビア文字に対して異なるカタカナ表記が当てられている部分が複数箇所あります。
- 全く同じアラビア語単語でも、ページ・項目によって読みガナが違うことがあります。
- شفاء:いやし(シファーァ)、医療(シファー)→ 文語の日常会話調の発音はシファーです。語末の声門閉鎖音まで読むとシファーゥやシファーッになります。人によってはシファーァと聞こえるかもしれません。
- / で隔ててアラビア語訳が2語載っていることがあるのですが、対応したカタカナはそのうちの1つのみ書かれています。
標準的なカタカナ表記との違い
岩波書店イスラーム辞典が提示したような日本国内アラビア語業界における標準的日本語化とは違う特徴的なカタカナ表記が多いため、このネーミング辞典を使って命名されたものは見分けがつきやすいです。
thをサ行ではなくタ行で表記
パレスチナは ث [ th ] の発音が ت [ t ] に置き換わることが多い方言ですが、本書ではそうならない語も含め全部タ行でカタカナ化されています。架空のアラブ風舞台に命名する場合は標準的なサ行にするのがおすすめです。
- 厚い:كثيف (カティーフ) → カスィーフ [ kathīf ]
- 氷:タルジュ → 文語:サルジュ [ thalj ]
- ヘビ:タアバーン → 文語:スウバーン [ thu‘bān ]
- 影響:タアティール → タアスィールもしくはタァスイール [ ta’thīr ]
- 雄牛:タウル → サウル [ thawr/thaur ]
- おしゃべり:タルタル → サルサラ [ tharthara(h) ]
- 重い:タキール → サキール [ thaqīl ]
- 格言、ことわざ:マタル → マサル [ mathal ]
- 価値:タマン → サマン [ thaman ]
- 高校:マドサラト・ターナウィイヤ → マドラサ・サーナウィーヤ
- 3:タラータ → サラーサ
- 三角形、3倍:ムタッラト → ムサッラス
- 30:タラートゥーン → サラースーン
- 三色すみれ(パンジー):ザフラト・アッ・タールートゥ → ザフラトゥもしくはザハラトゥ・(ア)ッ=サールース(アラビア語部分のタイプミスもありました)
- 三段跳び:ワトバト・タッラーティ → ワスバ・スラースィーヤ(本では三段の意味の語の部分が女性形ではなく男性形になっています)
- 三位一体:タールートゥ → サールース [ thālūth ]
- 12:イトゥナー・アシャル → イスナー・アシャラもしくはイスナー・アシャル
- 女優:ムマッティラ → ムマッスィラ [ mumaththila(h) ]
- 書類:ワティーカ → ワスィーカ [ wathīqa(h) ]
- 信頼:ティカ → スィカ [ thiqa(h) ]
- 第3の:ターリト → サーリス [ thālith ]
- 第2:ターニー → サーニー [ thānī ]
- 第8:ターミン → サーミン [ thāmin ]
- 闘牛:ムサーラアト・ッ・ティラーン → ムサーラアトゥ・ッ=スィーラーン [ thīrān ](アラビア語のムサーラア部分が誤植ありです)
- にんにく:トゥーム → スーム [ thūm ](トゥームは口語発音と同じです)
- 年代記:ターリーフ・アフダートゥ → ターリーフ・アフダース [ ’aḥdāth ]もしくはターリーフ単体で
dhをザ行ではなくダ行で表記
-
- あご:ذقن(ダカン) → ザカン [ dhaqan ] もしくは ザクン [ dhaqn ]
- 尾:ダナブ → 一文語:ザナブ [ dhanab ](他の場所ではザナブになっていて本の中で統一されていません。)
- おおかみ:ディウブ → ズィッブもしくはズィゥブ [ dhi’b ]
- ~の持ち主:ダウ → 文語:ズー [ dhū ]
*「彗星」などの語に含まれます。これに関してはどうしてダウになったか不明です。複数形に似た語形はありますが… - 金:ダハブ → ザハブ [ dhahab ]
- 原子:ダッラ → ザッラ [ dharra(h) ]
- 原子力:ナシャート・ダッリ → ナシャート・ザッリー [ dharrī(y) ]
- 重力、引力:ジャーディビーヤ [ jādhibīya(h) ]
- 純情な、純真な:サーダジュ → サーザジュ [ sādhaj ]
- とうもろこし:ドラ → ズラ [ dhura(h) ]
ziをズィではなくジ(ji)でカタカナ化
-
- きりん:ジラーファ → ザラーファ [ zarāfa(h) ]
khをハ行ではなくカ行でカタカナ化
-
- つかむ:イクタタファ → イフタタファ [ ’ikhtaṭafa ]
ظ [ẓ] を方言と同じ ض [ḍ] 音に置き換えたダ・ディ・ドゥでカタカナ化
-
- 午後:バアダ・アル・ドホル → バアダ・(ア)ッ・ズフル
ء(ハムザ)やع(アイン)の処理
- 暖かい:دافئ(ダーフィ)→ ダーフィウ
*日本での標準的なカタカナ表記だとダーフィウになるものの、実際にはダーフィィとダーフィッが混ざったような発音になります。 - アナウンサー:مذيع(ムズィーァ)→ ムズィーウ
*日本での標準的なカタカナ表記だとムズィーウになるものの、実際にはムズィーィとムズィーァとムズィーッが混ざったような発音になります。 - アルマジロ:مدرع(ムダッラァ)→ ムダッラウ
*日本での標準的なカタカナ表記だとムダッラウになるものの、実際にはムダッラァとムダッラアが混ざったような発音になります。 - 胃:معدة(ミゥダ)→ ミウダ(大きな「ウ」が標準的カタカナ表記)
*胃を意味する معدة の発音には複数の読み方があり、مَعِدَة [ ma‘ida(h) ] [ マイダ ] もしくは مِعْدَة [ mi‘da(h) ] [ ミィダとミァダがとまざミゥダが混ざったような発音 ]。後者は標準的なカタカナ表記だとミウダになるものの、実際にはミィダとミァダがとまざミゥダが混ざったような発音に聞こえます。
無母音حやهのハ表記
- 朝、午前:صباح(サバーハ)→ サバーフ
*実際にはサバーハに近い発音をするため、日本ではサバーフではなくサバーハというカタカナ表記が広く使われています。違う項目ではサバーフというカタカナ表記になっており同一書籍内で統一されていません。 - 天の川:نهر الحليب(バハル・アル・ハリーブ)→ ナフル・アル・ハリーブ
*実際にはつなげ読みをするので「ール・ル=」に。なお標準的カタカナ表記はナフルではあるものの [ ナフル・ル=ハリーブ (ナフル・アル=ハリーブ)] よりも [ ナハル・ル=ハリーブ ](ナハル・アル=ハリーブ)に近く聞こえます。 - あわび:اذن البحر(ウズン・アル・バハル)→ ウズン・アル=バフル、ウズン・アル・バフル、ウズン・アルバフル أذن البحر
*実際にはつなげ読みをするので「ウズヌ・ル=バフル」に。それを分かち書きしたものがウズン・アル=バフル。なお標準的カタカナ表記はバフルではあるものの [ ウズン・ル=バフル (ウズン・アル=バフル)] よりも [ ウズヌ・ル=バハル ](ウズン・アル=バハル)に近く聞こえます。ちなみに直訳は「海の耳」。 - 板:لوح(ラウハ)→ ラウフ
*実際にはラウハに近く聞こえたりしますが、標準的カタカナ表記はラウフ。ちなみに لوحة [ ラウハ ] だと材質としての板ではなく具体的な1枚を意味。
جの処理
岩波イスラーム辞典だと母音を伴わない ج や語末の ج は「ジュ」とカタカナ化。حج [ ḥajj ] は例外的にハッジュではなくハッジとする旨が書かれています。
- あさがお:مجد الصباح(マジド・ッ・サバーフ)→ マジュドゥッサバーフ、マジュドゥ・ッ・サバーフ、マジュド・アッサバーフ
*岩波方式だとマジュドになるのかもしれませんが、実際の発音はマジドの方が近いかもしれません。あさがおの名称はつなげ読みするとマジュドゥッサバーフとかマジドゥッサバーフという発音になりますが、敢えて分かち書きするとマジュド・アッ=サバーフ、マジド・アッ=サバーフ、マジュド・アッサバーフ、マジド・アッサバーフなどになるかと。
ニスバ形容詞をイー、イーヤではなくイィ、イッヤとカタカナ化
ニスバ形容詞語末をイーではなくイィのように表記しているので「作戦」(amalīya)が一般的なアマリーヤではなくアマリィヤになっています。それ以外でも語末に ـيّ [ -īy ] がある語のカタカナ表記が標準的ではありません。
- 懐中電灯:ミスバーハ・バッターリィヤ → ミスバーフ・バッターリーヤ
- 学部:クッリィヤ → クッリーヤ
- 花びん:マズハリィヤ → マズハリーヤ
- 金持ちの:ガニィユ → ガニー [ ghanī(y) ](通常日常生活では語末のyまではっきり読んでガニーユとはせずガニーとなり、厳密に発音したとしてもガニーィやガニーッぐらいに語末は軽く聞こえます)
- 自由:フッリィヤ → フッリーヤ
- 数学:リヤーディヤ → リヤーディーヤ
- とかげ:スィフリッヤ → スィフリーヤ
ة(ター・マルブータ)部分をーaではなくーatと発音し「ト」を添加
通常発音しないター・マルブータつき女性名詞の語末を「ト」にしてt音を出していますがその語単体の場合語末をtの音にすることは通常しないです。本全体で見ると同様の構造の女性名詞でも語末がトになっていない語もあり統一性はありません。
- 愛妻:زوجة محبوبة(ザウジャト・マハブーバ) → ザウジャ・マフブーバ(トは通常読み上げないので不要)
*マハブーバの標準的なカタカナ表記はマフブーバですが、実際にはマハブーバに近いためマハブーバのままでも構わないです。 - 錨(いかり):مرساة(ミルサート)→ ミルサー [ mirsā(h) ]
*妻をザウジャではなくザウジャトと発音するよりは可能性がやや高めの語形ではありますが、アラビア語では普通 [ mirsāt ] [ ミルサート ] とは読まないです。ラテン文字転写では mirsāt のように本来不要な「t」を反映させたりしても日本語カタカナ表記にする際は基本的に不要という扱い。 - 道具:اداة(アダート) → アダー [ ’adā(h) ]
*アラビア語では普通 [ ’adāt ] [ アダート ] とは読まないです。ラテン文字転写では adāt のように本来不要な「t」を反映させたりしても日本語カタカナ表記にする際は基本的に不要。 - 一流:درجة اولى(ダラジャト・ウーラー)→ ダラジャ・ウーラー
*アラビア語では普通 [ darajat ] [ ダラジャト ] とは読まないです。ちなみにダラジャ・ウーラーは「一級、ファーストクラス」などの意味で広く使用。
二重母音の促音(ッ)化
- 二重母音のカタカナ表記が小さな「ッ」になってしまっています。
- 第1、最初の:アッワル → アウワル [ ’awwal=’auwal ]
- どちらの?:アッイ → アイイ [ ’ayyi=’aiyi ]
- なんでも:アッイ・シャイ → アイイ・~
語末弱文字の処理
語末にīの音が隠れている名詞で語末を展開してイーの音を足さずに、アラビア語のワクフという読み方同様イー音無しの詰まった音でカタカナ表記してあります。
- アマチュア:هاو(ハーウィン) → ハーウィー
- いきいきした:حي(ハイィ)→ ハイイ
*標準的カタカナ表記だとハイイになりますが、実際にはハイィの方に近いです。文語だと格変化するので主格はハイュ、属格はハイィ、対格はハイャのように聞こえます。 - 糸杉:سرو(サルゥ)→ サルウ(標準的カタカナ表記では小さいゥではなくウ)
- 教育者:ムラッブ → ムラッビー
- 強壮剤:ムカゥウ → ムカッウィー
- 曲線:ムンハン → ムンハニー
- 金利生活者:ムラーブ → ムラービー
- 執事:サーキン → サーキーもしくはカーヒー、カーヒヤ
- しらふの:ワーイン → ワーイー
- 挑戦:タハッディン → タハッディー
方言発音と(ほぼ)同じ語形・読み方への置き換え
日常会話で話すアラビア語の口語・方言発音が混じっている率が高いです。文語では母音が u な部分を口語での o の音、i を e にしてある、二重母音アウを口語寄りのオウにしてある、声門閉鎖音 ء(ハムザ)を長母音にしてある、語末の長母音が無い、男性規則複数の語末が文語のウーンではなく口語のイーンになっているなど。
母音uのo化、母音iのo化
- アコーディオン:الاكورديون(アル・アクールディヨーン)→ アクールディユーン أكورديون(つづり通りの文語的な発音、なお定冠詞は不要)
*外来語なので母音記号通りにカタカナ化すればアクールディユーンにはなりますが、実際にはアコールディヨーン、アコルディヨンと読む方が自然だと思います。
語末長母音の省略
語末の長母音「ā(アー)」の音を伸ばさないのは口語(方言)での発音で、文語ではそのような省略はしないためカタカナ化にも反映させます。
- 椅子:كرسي(クルスィ)→ クルスィー(語末長母音を短く読むのは口語の方言発音)
*文語では厳密に発音すると [ kursīy ] でクルスィーュとクルスィーィとクルスィーッを混ぜたような発音をします。 - 一様な:متساو(ムタサーウィ)→ ムタサーウィー(語末長母音を短く読むのは口語の方言発音)
*この項目では他項目の類似語形と違いムタサーウィンではなくムタサーウィとカタカナ化されています。標準的カタカナ表記でムタサーウィーと伸ばす語末の長母音「ー」を省いたもの。ちなみに مساوٍ / متساوي [ ムタサーウィン / ムタサーウィー ] は「それぞれが均質で一様である;対等である」の意味。一斉に揃っていうというニュアンスだと منتظم [ ムンタズィム ] や موحد [ ムワッハド ] など。 - いつもの:اعتيادي(イウティヤーディ)→ イウティヤーディー
*文語では厳密に発音すると [ ’i‘tiyādīy ] でイィティヤーディーュ / イィティヤーディーィ / イィティヤーディーッ / イァティヤーディーュ / イァティヤーディーィ / イァティヤーディーッ / イゥティヤーディーュ / イゥティヤーディーィ / イゥティヤーディーッを混ぜたような発音をします。
二重母音部分の発音変化
- アスパラガス:هليون(ヒルヨゥン)→ ヒルヤウン
*ヒルヤウンの口語発音はヒルヨウン、ヒルヨーン。さらに方言度が増すとヒリョーンに近く聞こえることも。 - アーモンド:لوز(ロウズ) → ラウズ [ lawz / lauz ](口語(方言)での発音がロウズ、ローズ)
- 糸:خيط(ヒート)→ ハイト(ヘイト、ヘート、ヒートは方言での発音)
声門閉鎖音/声門破裂音の長母音化
- 頭:رأس(ラース)→ ラアス
*標準的なカタカナ表記ではラアスとなりますが、実際にはラァスとラッスを混ぜたような発音をします。ラースのように声門閉鎖をせず長母音で発音するのは口語(方言)。
特定語形での母音脱落
- 亜鉛:خارصين(ハールスィーン)→ ハーリスィーン(r部分がriではなく無母音のrになる読み方は口語発音)
文語と口語で補う母音 a・i/e・u/o の種別、母音の有無が違うために起こる差異
- 甘い:حلو(ヘルゥ) → フルウ [ ḥulw ](ヘルゥ、ヒルゥのように聞こえるのは方言で、標準アラビア語だとフルウとカタカナ化)
*実際の発音を聞くとフルゥやフルーと聞こえやすいです。 - 暗証番号:رقم سري(ラカム・スィッリー) → ラクム・スィッリー(ラカムは口語発音)
- 医学:علم الطب(イルム・アッ・トゥッブ)→ イルム・アッ=ティッブ、イルム・アッ・ティッブ、イルム・アッティッブ
*文語では医学を [ ṭibb ] [ ティッブ ] と発音。[ ṭubb / ṭobb ] [ ト(ゥ)ッブ ] は口語発音。ちなみに علم الطب は通常つなげ読みして [ イルム・ッ=ティッブ ] と発音。イルム・アッ=ティッブは敢えて分かち書きしたもの。 - 意見:رأي(ラーイ)→ ラアイ
*標準的カタカナ表記はラアイですが、実際には [ ra’y ] の「’」部分で息を止めて声門を閉じるためラァイとラッイとラァュとラッュを混ぜたような発音になります。ラーイのように「ー」と伸ばす長母音で読むのは口語発音。
その他、上記の複合例
- 道具を示す名詞は文語だとmi-で始まりますが、この辞典は口語のma-になっていたりします。
- 金づち:マトラカ → ミトラカもしくはミトゥラカ
- 機関銃:マドファア・ラッシャーシュ → ミドファウもしくはミドファア・~
- あなたの:ك(ク)→ カ
*اسمك [ ’ismuka ] を [ イスムカ ] ではなく [ イスマック ] などと発音するのは方言です。この本には口語の「ク」が載っていますが、大半の方言でそのような響きになるとはいえそうでない方言もあるので標準アラビア語の「カ」を使うのが良いかと思います。 - あなたを(に):لك(ラク(ラキ))→ (相手が男性の時)ラカ لك、(相手が女性の時)ラキ لك
*方言だと男性のあなた相手の時にラクやラック、女性のあなた相手の時にリクやリックに近い発音になったりしますが、前置詞や人称代名詞の語形や発音は方言差が結構あるので標準アラビア語のラカとラキを使うのが無難です。
- アルバイト:شغل غضافي(ショゴル・イダーフィ)→ シュグル・イダーフィー(母音uのo化は口語発音、語末長母音「ー」脱落も口語的で通常はカタカナ表記に反映)
*شغل إضافي [ シュグル・イダーフィー ] や عمل إضافي [ アマル・イダーフィー ] の直訳は「追加の仕事」で、本来の仕事への追加や副業的なニュアンスがある。一方パートタイムの仕事という意味のバイトに対応するのは عمل جزئي [ アマル・ジュズイー ]。 - ある日:ذات يوم(ザート・ヤウミン)→ ザータ・ヤウミン(副詞的対格用法のため文語では ذَاتَ [ dhāta ] [ ザータ ] とはっきり母音aがわかる発音に)
- 地上の:アルディーエ → 文語:アルディーヤ(「ィーエ」はシリア~レバノン周辺方言などにおける女性名詞語末の読み方です)
- 温泉:アイン・ソフネ → アイン・スフナ(「-na(h)」が「-ne(h)」になるのはシリア~レバノン周辺方言などにおける女性名詞語末の読み方です)
- 犬小屋:ベイト・ル・カルブ → バイト・ル・カルブ
- いのしし:ハンズィール・バッリー → ヒンズィール・バッリー
- 入り口:マドホル → マドハル
- いんげん:ファソーリヤー → ファースーリヤー
- 亀:スルフファー → スラフファーもしくはスラハファー
- えら:ヒーシューム → ハイシューム
- 円筒:イストワーナ → ウストゥワーナ
- えんどう:バセッラ → ビスィッラ
- 応援団:ムシャッジイーン → ムシャッジウーン(口語と文語での主格における男性複数語尾の違いです)
- おうし座:アッ・トゥール → アッ=サウル [ ’ath-thawr/thaur ]
- おうむ:ババガーゥ → バブガー(ゥ)もしくはバッバガー(ゥ)(ババガー系の母音のつけかたは口語です)
- お元気ですか?:キーファ・ハールカ → カイファ・ハールカ
- オーバー、外套:マアタフ → ミウタフもしくはミゥタフなど(ミィタフに近く聞こえます)
- おはよう!:サバーフ・アル・ヘイル → サバーフ・アル・ハイル(実際はアルのアが脱落してサバーフ・ル・ハイルになります。)
- おやすみなさい!:ティスバハ・アラー・ヘィール → トゥスビフ・アラー・ハイル
- 会員:アドゥ → ウドゥウ
- 海底の、海中の:タヘト・サハタ・アル・マーィ → タフタ・サトゥフ・~
- 鏡:ミラー → ミルアー
- 楽屋:ダハル・マスラフ → ザフルもしくはザハル・~
- 家事:シュグル・アル・ベイト → シュグル・アル・バイト
- かすみ、もや:ギーム → ガイム
- 肩:キテフ → カティフもしくはキトフ/キトゥフ
- カーネーション:クルンフィル → カランフル
- 彼女が:ヒィヤ → ヒヤ(ヒーヤのように伸ばすのは口語発音、方言です)
- 雷、雷鳴:ラエド → ラアドもしくはラァド
- 火曜日:ヤウム・アッ・タラーテ → ヤウム・アッ・スラーサー(タラーテはシリア~レバノン周辺の方言での3の発音です)
- からす:ゴラーブ → グラーブ
- 彼が:フゥワ → フワ(フーワと伸ばすのは口語発音、方言です)
- 彼らが:フンム → フム
- 関係:イラーカ → アラーカ(イラーカはネイティブに多い口語読みです)
- 木の実、ナッツ、くるみ:ジョウズ → ジャウズ
- 休暇、休み:オトラ → ウトゥラもしくはウトラ
- 教室:グルフェト・ル・ディラーサ → グルファト(ゥ)・ッ・~(グルファがグルフェになるのは方言読みです)
- 漁業:スィード・アッ・サマク → サイド・アッ・サマク
- 漁船:サフィーナト・リ・スィード → サフィーナ・リ・(ッ)サイド
- 銀婚式:オルス・ル・ファッダ → ウルス・ル・フィッダ
- 口:ファンム → ファム [ fam ]
- 唇:シャッファ → シャファ [ shafa(h) ]
- クラゲ:カンディール・ル・バハル → キンディール・ル・バハルもしくはバフル
- グラス、ジョッキ:カース → カァスもしくはカッス
- 血:ダンム → ダム [ dam ]
- 語彙:マフラダート → ムフラダート
- ごきぶり:サルスール → スルスール
- 国境:ホゥドゥード → フドゥード(口語というよりは語頭の子音の発音上フよりもホゥに近いという意図だと思います)
- 子猫:クティータ → クタイタもしくはフライラ
- こんばんは!:マサーア・アル・ヘイル → マサーウ・(ア)ル・ハイル
- 索引:ファフリス → フィフリス
- 塩辛い:マーレフ → マーリフ(口語ではiがeになりやすいです)
- 時刻表、ソフトウェア:バルナーミジュ → バルナーマジュ
- 70:サバウーン → サブウーン
- 種:ビゼル → ビズル [ bizr ]
- 主婦:スィット・アル・バイト → ラッバトゥ・ル=バイト(スィットはサイイダ=婦人の口語版です)
- 食卓、テーブル:ターウラ → ターウィラ(口語ではターウラというよりはタウラに近い発音になることが多いです)
- 箴言、警句:クール・マァトゥール → カウル・マアスール [ qawl/qaul ma’thūr ](警句というよりは「ことわざ、伝承」のような意味です)
- すずめ:アスフール・ドゥリー → ウスフール・ドゥーリー(小鳥という意味のウスフールは口語でアスフールになります)
- 酸っぱい:ハーメド→ ハーミド
- スツール:クルスィ・バラー・ダハル → クルスィー・ビラー・ザハルもしくはザフル
- 大統領婦人:ジャウザト・アル・ライース → ザウジャト・~(文語のzawja(h)は口語でしばしばzとjがひっくり返ってjawza(h)になります)
- 正確な:サッハ → サヒーフ(サッフは他の地域も含め口語での語形です)
- 他の人、他の物:アーヒリーン → アーヒルーン(文語では主格はーūn(a)でウーナもしくは語末の母音を省略してウーンの音で読みます)
- チーズ:ジブナ → ジュブナ
- 茶色、褐色:ビンニー → ブンニー
- 茶髪:シャアル・ビンニー → シャアル・ブンニー
- 朝食:フトゥール → ファトゥール
- ちょうど:ビッ・ザブト → ビッ・ダブト(シリア・レバノン方言以外でも口語でこのザブトになることが多いです)
- 地理学:アル・ジグラーフィヤー → アル・ジュグラーフィヤー
- チンパンジー:シャーンバンズィー → シンバーンズィー
- 翼:ジナーフ → ジャナーフ
- デザート:ヒルウィヤート → ハルワヤートもしくはフルウィーヤート
- 銅:ナハース → ヌハース
- 戸棚:ハザーナ → ヒザーナ
- 泥:ワヘル → ワフル(アラビア語学習者が泥という意味で最初に習うのはティーンの方かもしれません)
- 苦い:モッル → ムッル
読む側が補足する発音記号違い(発音間違い)、不要な発音を省略していない、文語とも方言とも違う発音などによるカタカナ表記違い
母音の補足や同じ子音が2個続く重子音部分の音のカタカナ化に関して訂正が必要だと思われる部分があります。口語での発音ともまた違って、母音のつけ間違いとか重子音ではないのに促音にしてあったり、重子音なのに促音になっていないといった、文法的に間違っている範疇に近いものです。
五名詞の特殊語形
5つの名詞と呼ばれる、単体では語末に長母音ūが出ないのに「~の◯◯」という属格(所有格)構文でūが出る特殊な語があります。この辞典では単体なのにūが出た状態で掲載されています。
- 父:アブー → アブ(単体の時の語形は「’ab」(アブ)で後ろから属格(所有格)支配され「~の父」になった時に「’abū」(アブー)に変形します)
- 義父:ハムゥ → ハム(単体ではハムで、「~の義父」という時だけハムーになります)
重子音の有無
子音が2個重なっているか1個になっている、子音が1個だけの部分を2子重ねてあるという重子音(シャッダ記号)有無に関しての取り違えが多いです。
*حارّ を [ ḥārr ] [ ハーッル ] ではなく [ ḥār ] [ ハール ] と「ッ」を抜いて読む方法は文語である標準アラビア語に古くからあった方法なので全くの間違いという訳ではありません。ただし英字表記に置き換えたり日本語のカタカナ表記にしたりする場合は [ ḥārr ] [ ハーッル ] とするのが普通です。
- 麻:قنب(クナブ)→ クンナブ [ qunnab ](nは2個でqunabではない)
- 熱い:حار(ハール) → ハーッル [ ḥārr ](rが2個のḥārrと英字表記化するのが一般的)
- アンテナ:هوائي(ハッワーイ)→ ハワーイー [ hawa’ī(y) ](wは1個だけ、通常は語末の長母音は発音省略せずカタカナ化に反映)
- 遺産:تراث(トッラース)→ トゥラース [ turāth ](rは1個だけでturrāthではない)
- かもしか:ガッザール → ガザール [ ghazāl ](ガッザール=ghazzālは紡績工という意味の違う語です)
- 空想:ハイヤール → ハヤール [ khayāl ](ハイヤール=khayyālは騎手・ホースマンという意味の馬に関連した職業の人を指します)
- ボール:クッラ → クラ [ kura(h) ](rは1個だけでkurraではありません)
- 叙事詩:ギンナーイ → ギナーイー [ ghinā’ī(y) ](nは1個だけでghinnā’iではありません)
- 説教:イッザ → イザ [ ‘iẓa(h) ](ẓは1個だけで‘iẓẓza(h)ではありません)
- だいたい:ハッワーリー → ハワーライ(口語発音はハワーリーやハワーラーですが、ww2個ではありません)
- 歌う:ガナー → ガンナー [ ghannā ](nは2個でghanāではありません)
- 丘:タル → タッル [ tall ](lは2個でtalではありません)
- 大陸:カーラ → カーッラ [ qārra(h) ](rは2個でqāra(h)ではありません)
- 乳首:ブズ → ブッズ [ buzz ](zは2個でbuzではありません)
- 手袋:カフ → カッフ [ kaff ](fが2個のkaffと英字表記化するのが一般的)
- 奥、内部:ダーヒリッヤ → ダーヒリーヤ [ dākhilīya(h) ](文語アラビア語では小さいッで読みません)
- 傘:シャムスィッヤ → シャムスィーヤ [ shamsīya(h) ]
- 航空:タィヤラーン → タヤラーン
- 細胞:ハリッヤ → ハリーヤ [ khalīya(h) ]
- 士気:ルーフ・マアナウィッヤ → ルーフ・マアナウィーヤ
- 王朝:アスラト・マラキーヤ → ウスラ・マラキーヤ、ウスラ・マーリカ
- 贈り物:ハディヤ → ハディーヤ(はっきりディーと伸ばします)
- おもちゃ:ラアバ → ルウバ(ラアバは遊び、ゲームの方を意味します)
- 温室:ムスタナバト・ズジャージィ → ムスタンバド・ズジャージー
- 介護:アナーヤ → イナーヤ
- 会長、議長:ライース・ジュルサ → ライース・ジャルサ
- 歌手:マトリブ → ムトゥリブもしくはムトリブ
- 加速:タサーリア → タサールウ
- 奇術:サフル → スィフル [ siḥr ]
- 共通の:アムーミー → ウムーミー
- 協力:タアーワン → タアーウン
- 米:アルズ → アルッズ(アルズは「杉」です)
- 講義、講演:ムハーディラ → ムハーダラ(ムハーディラだと女性の講義実施者・講演者になります)
- 抗生物質:マダード・ハヤウィー → ムダーッド・ハヤウィー
- さめ、ふか:サマカト・アル・クルシュ → ~・キルシュ
- 19:ティスア・アシャル → ティスアタ・アシャラもしくはティスアタ・アシャル(口語でもティスアターシュのような感じでティスア語末のタの字を読むことが多いです)
- 13:タラータト・アシャル → サラーサタ・アシャラもしくはサラーサタ・アシャル(タラータになるのは口語ですがいずれにせよ口語語でもタラータッシュのような感じでトではなくタの音になることが多いです)
- 14:アルバァト・アシャル → アルバアタ・アシャラもしくはアルバアタ・アシャル
- 16:スィッタト・アシャル → スィッタタ・アシャラもしくはスィッタタ・アシャル
- 11:アハド・アシャル → アハダ・アシャラもしくは語末母音を省いてアハダ・アシャル
- 出力:マフルジャート → ムフラジャート
- 趣味:ハワーヤ → ヒワーヤ
- 小銃:バンダキィヤ → ブンドゥキーヤ
- 症状、兆候:アルド・アル・マラド → アラド・~(アルドは「幅」もしくは「展示」など)
- 進水:アンザール・アッ・サフィーナ → インザール(アンザールだと「食事;報償」といった意味です)
- 進歩:タカッダム → タカッドゥム(タカッダムだと動詞「進歩した」です)
- スエット:カミース・ティムリーン → カミース・タムリーン
- スーパーマーケット:スープルマルケート → スーバルマールキト(口語風に読むとスーバルマールケト)
- 征服:ファタフ → ファトフ
- 世界:ドウニヤ → ドゥンヤー [ dunyā ](口語だとディンヤー、ディニエなどの発音になる感じだと思います)
- 背の高い:タウイール → タウィール [ ṭawīl ](タウイールだとṭaw’īlやṭawyīlになる感じですが、「(丈の)高い」という項目では普通にタウィールと書かれています)
- せりふ:キラーム → カラーム(kalām=言葉)
- 千:アリフ → アルフ(アリフ [ ’alif ] はアルファベットの最初の文字の名称です)
- ダイヤル:カルス・アル・アルカーム → クルス・~
- タオル:マンシャフ → ミンシャファ [ minshafa(h) ] もしくはフータ
- 高さ:ウルゥ → ウルーウ [ ‘ulūw ](語の後半がウーと伸びます)
- 建物:バナーァ → ビナーもしくはビナーゥ、ビナーッ(バナーは「建てる」という動詞、ビナーは動名詞です)
- 通訳:タルジャマーン → トゥルジュマーン(方言によってはテルジュマーンに近く発音することもあるようです)
- つぼみ:ビルイム → ブルウム
- 釣り:タサイィド → タサイユド(タサイユド=狩猟・魚釣り)
- 定年退職:タカーアド → タカーウド(この本は動詞派生形の動名詞の語形間違いが多いくつける母音が正しくない例が多数見られます)
- 理想的:マサーリー → ミサーリー(方言辞典を調べましたが口語でもミサーリーだと思います)
- 投機:マバーラバ → ムダーラバ
- 動物園:ハディーカト・ル・ハヤワン → ハディーカトゥ・ル=ハヤワーン(前後の項目でどちらもハヤワーンと書いてあるので横棒の入れ忘れかなという気がします)
- ときどき:アヒヤーナン → アフヤーナン(アハヤーナンに近く聞こえる発音です)
- 独唱、独奏:ガナーア・ムンファリド → 独唱=ギナー・ファルディー(ギナー/ギナーゥ/ギナーッは歌うこと、ガナー/ガナーゥ/ガナーッは裕福・富裕です)、独奏=スゥールゥーと読めるつづりでソーローと発音、もしくはアズフ・ファルディーなど
- (本の)とびら:スフハト・アヌワーン → サフハトゥ・ル=ウヌワーン(本の扉の英訳title pageをそのままアラビア語にした感じの熟語です)
- なぜ?:ラマー → リマーもしくはリマーザー
- 怠け者:カサル → カスィルもしくはカスラーン、カスールなど(カサル=怠惰、怠けること で通常怠け者という意味ではカスラーンをよく使う気がします)
- ねじまわし:ムファック・ッ・バラーギィ → ミファック・(ア)ル・バラーギー(バラーギーの前はッにはならないのと、あとはムファックではなくミファックですが方言ではムファックに近く聞こえることが珍しくありません)
その他の母音取り違えなど
- 宛名、住所:عنوان(アヌワーン) → ウヌワーン(口語での発音は主にイヌワーン)
- あなご:ثعبان البحر(タアバーン・アル・バハル)→ スウバーン・アル=バフル、スウバーン・アルバフル、スウバーン・アル・バフル
*「蛇(へび)」を意味する ثعبان [ thu‘bān ] [ スウバーン ] の1文字目はタ行ではなくサ行でカタカナするのが一般的ですが、文語でつける母音はaではなくuのためスウバーンに。1字目の ث [ th ] が ت [ t ] に置き換わるの方言もあるですが、تعبان [ ta‘bān ] [ タアバーン ] は「疲れた、疲れている」という意味で、蛇の時はティィバーンとかテェバーンのような発音をするように思います。
*「海」という意味の البحر は標準的なカタカナ表記だとバフルになりますが、実際にはバハルの方に近く聞こえます。 - 一般的、全般的:عمومي(アムーミー)→ ウムーミー(1文字目は母音aではなく母音uを補う)
*ちなみに عموميّ [ ‘umūmī(y) ] [ ウムーミー(ュ/ィ) ] は「公共の」という意味で使うことが多く、「一般的、全般的」という意味では同じ語根からなる عامّ [ ‘āmm ] [ アーンム ] がポピュラーであるように思います。 - いて座(人馬宮):القوس(アッ・カウス)→ アル=カウス、アル・カウス、アルカウス(ق [ q ] 音の前で定冠詞アルは促音化はしないためアッにならない)
文法的な訂正が要る項目
- アイスホッケー:لعبة الهوكي الجليد(ラアバト・アル・ホーキー・アル・ジャリード)→ ホーキー・アル=ジャリード هوكي الجليد(ホーキーの前の定冠詞アルは文法上脱落させる必要あり)
*ゲームという意味の لعبة [ ラアバ ] は無くても通じるので不要かと。 - 育児:عناية الولد(イナーヤト・アル・ワラド)→ タルビヤ(ト)・アル=アトファール、タルビヤ(ト)・アル・アトファール、タルビヤ(ト)・アルアトファール تبرية الأطفال、リアーヤ(ト)・アル=アトファール、リアーヤ(ト)・アル・アトファール、リアーヤ(ト)・アルアトファール رعاية الأطفال など
*なお意味は「世話、面倒、介護」でその対象には前置詞の ب [ bi ] をつける。عناية بالولد [ イナーヤ・ビ-ル=ワラド ] で「子供の世話、男児の世話」。その場合 عناية [ イナーヤ ] の「ト」は不要。育児は通常 ترية الأطفال [ タルビヤトゥ・ル=アトファール ] や رعاية الأطفال [ リアーヤトゥ・ル=アトファール ] を使用。タルビヤ(ト)・アル=アトファールやリアーヤ(ト)・アル=アトファールは敢えて分かち書きにしたもの。
似たアルファベット同士の混同、違う文字への置き換えによる読み違い
タイプミス、誤植もしくはそれに近い読みガナ、訳語の取り違えによる異なる意味の単語の掲載があります。
- カンバス:クマース・リ・ルスム → クマーシュ・~・ラスム
- 儀式、典礼:タクスィ → タクス(ィに相当する部分がある表記ではなく、同じつづりの違う意味「気象、天気」のところではタクスィではなくタクスと書いてあります)
- キーボード:ル・ハトル・マハーティーフ → ラウハトゥ・ル・マファーティーフ
- 教義、主義:アズハブ → マズハブ
- 金魚:サマク・ダルビー → サマク・ザハビー [ samak dhahabī(y) ]
- 空軍:ザッラーフ・ル・タイラーン → スィラーフ・(ア)ッ・タヤラーンもしくはアル=クウワ・アル=ジャウウィーヤ
- 検察官、検事:ムダッア → ムッダイー(小さいッの入る場所が違います)
- 子豚:ハヌート → ヒンナウス(レバノン方言ではハンヌース)
- 首相、総理大臣:ワズィール・ル・ウィザラーウ → ライース・ル・ウザラー(ィ/ッ)
- スリムな:ラフィーク → ラキーク(ラフィークは「同行者、友、同僚」です)
- 声援:スターフ → フターフ(hをsで取り違えた誤記です)
- ゼロ:スフィル → スィフル(方言によってスィフィル、セフェルに近く聞こえたりします)
- 象:フィル → フィール(はっきりフィーと伸ばします)
- 第10:ウシュル → アーシル(ウシュルは「10分の1、1/10」です)
- たいまつ:アシュアル → マシュアルもしくはミシュアル
- 短編小説:リワーヤト・カスィーダ → リワーヤ・カスィーラ(カスィーダは「詩、長詩」という意味の名詞で通常使われます)
- チョーク:ジャッス → 本のアラビア語表記に対応しているのはタバーシールです(単数はタブシューラ)
- チョコレート:ショコラーダ → ショコラータ
- 通過する:アゥター → マッラなど(アゥター → アアター/アァター/アゥターのように聞こえます、は「与える」という意味です)
- 通行、通過:アービル → ウブール、ムルールなど(アービルは能動分詞で「通過している、通過者」という意味です)
- 爪:ミスマール → ズフル(ミスマールは同じ英語のnailでも「釘」の方を指します)
- 手当、治療:ムアーマラ → イラージュ(ムアーマラ=取り扱い、待遇、商取引)
- 定食:ジャハーズ・アル・タアーム → ワジュバ・サービタ、タバク・(ア)ル・ヤウムなど(ジャハーズではなくジハーズと読みますがジハーズ・アッ・タアームだと調理器具と受け取られる可能性が多く、日本語-アラビア語辞書ではワジュバ・サービタ=決まった食事、タバク・(ア)ル・ヤウム=今日のプレート・料理といった訳語が載っていたりします)
- 貞節:アマーナ → イッファなど(アマーナ=誠実、信用)
- テラス:シャルファ → シュルファ
- 天使:アラーク → マラーク
- 独占記事、特ダネ:ムタアーリン → 独占記事:マカーラ・ハスリーヤ、特ダネ:サブク・スフフィー(ムタアーリンは日常ではムタアーリーと発音しますが意味は「高い」です)
- 特徴:ハーッス → ハーッスィーヤ(ハーッス=特別な、私的な)
- (車の)トランク:ハキーバト・マラービス → スンドゥーク・サイヤーラ(ハキーバ=かばん、マラービス=衣服、ハキーバト・マラービス=洋服かばん、トランク、服を詰める旅行用かばん)
- 長生き、長寿:ハヤート・タウィール → ハヤー(ト)・タウィーラ、もしくはウムル・タウィール(ハヤー(ト)が女性名詞なので形容詞はタウィールではなくタウィーラとなります)
タイプミスなどの誤字脱字
- 哀歌:مرثية(アルティッヤ) → マルスィーヤ [ marthīya(h) ](1字目は’aではなくma、ーティッヤ部分の標準的カタカナ表記はースィーヤ)
- 明かり:ضو(ダウ)→ ضوء(最後の1字が脱字)
*岩波イスラーム辞典のカタカナ表記に従えばダウになるようですが、実際には [ ḍaw’ / ḍau’ ] と最後に声門を閉める「’」が来るためダウゥとダウッを混ぜたような発音になります。 - あり:نمر(ナマル) → ナムル نمل [ naml ]
*نمر と書いて [ namar ] [ ナマル ] と読むのは「怒り、猛り狂うこと」という意味の別単語。虫の蟻(アリ)は語末が違う文字で発音はナムル。なお口語では母音挿入により [ namil ] [ ナミル ] のような発音に変わる方言が多めとの印象。 - アルコール:مشروبات كهولية(マシュルーバード・カフーリーヤ)→ アル=クフール、アル・クフール、アルクフール الكحول
*物質としてのアルコールは كحول [ クフール ]。「飲料・飲み物」という意味の複数形名詞 مشروبات [ マシュルーバート ] に「アルコールの」という意味の形容詞を添えて「アルコール飲料」としたのが مشروبات كحولية [ マシュルーバート・クフーリーヤ ]。本ではカタカナにすると同じながら発音が違う別の文字 كهولية という誤字があり、kに補う母音がuではなくaになっている。ちなみに كهول と書いて [ クフール ] と読むと「中年男性たち」の意味。
見出し語とアラビア語の品詞が合っていない、他言語の訳と品詞が合っていない
- あこがれ:متلهف(ムタラッヒフ)→ ラフハ لهفة、シャウク شوق(ムタラッヒフは能動分詞で「切望している(人)、熱望している(人)」)
- ニット:ハーカト → ニット・編み:ヒヤーク、編まれた・織られた・ニットの:マフブーク(ハーカトは動詞ハーカ=編む の三人称・女性・単数「彼女は編んだ」を意図したものに受け取れるのですが、編み・ニットという文脈ではヒヤークなどかなと思います)→ 用例:ストゥラ・マフブーカ=ニット上着、ニットカーディガン
カタカナ表記とアラビア語表記が合っていない
- 赤:حمرة(アフマル)→ أحمر
*記載されている حمرة は [ フムラ ] で「赤み、赤色」という色の名前を意味する名詞。2つ前の「青」が أزرق(アズラク)なので、語形を合わせるなら أحمر [ アフマル ](赤い;赤色)とするのが良いと思われます。
意味的にずれのある別単語掲載
- 愛情、思慕:عطف(アトフ)→ シャウク شوق、ハニーン حنين、マハッバ محبة
*アトフは「同情、あわれみ」の意。なおシャウク、ハニーンは「思慕」で、マハッバは「愛情」に対応。 - 愛人:عزيزة(アズィーザ)→ アシーク عشيق、アシーカ عشيقة
*アズィーザは女性について「親愛なる、dear」と表現するのに使うため「愛人」とは異なります。婚姻外の愛人という意味では男性の愛人アシーク、女性の愛人アシーカを使うかと。 - 愛着、思い入れ:ربط(ラブト)→ タアッルク تعلق、イルティバート ارتباط
*ラブトは「縛ること、結ぶこと;結合」で、気持ち的な愛着はタアッルクなどと言うことが一般的です。 - アイロン:مكوى(マクワー)→ ミクワー مكواة
*マクワーはアイロン屋、ミクワーは家電・家事道具のアイロンです。アラビア語ではma-で始まるのが場所・店を示す名詞、mi-で始まるのは道具だという違いがあります。 - アクセス:سبيل(サビール)→ ウスール وصول
*サビールは「道;方法、手段」という意味で通常使用。「~へのアクセス」という交通の便などを指す場合はウスールなど。 - 朝日:مشرق(マシュリク)→ シャムスッサバーフ、シャムス・ッ・サバーフ、シャムス・アッ=サバーフ شمس الصباح / ガザーラ غزالة
*注意書きにもある通りマシュリクは「日が昇る場所、東」の意。朝日という意味では غزالة [ ガザーラ ] という語がありますが通常は「雌ガゼル」という意味で使うので、شمس الصباح [ シャムス・ッ=サバーフ ](朝の太陽、朝陽)などで代用するのが良いかと。 - 鮮やかな:بهي(バヒーュ)→ ザーヒー زاهٍ(زاهي)
*バヒーュの一般的カタカナ表記はバヒー。バヒーは「壮麗な、輝かしい」という意味で、色などが鮮やかであることを表現する時はザーヒー。なおザーヒーは表記通りだとザーヒンとなりますが日本では通常長母音が出ている時の語形のザーヒーをカタカナ表記として使います。 - アーチェリー:نبالة(ニバーラ)→ アッ=リマーヤ・ビ・ッ=スイハーム、アッリマーヤ・ビッスィハーム الرماية بالسهام、アル=カウス・ワ・ッ=サフム、アルカウス・ワ・ッサフム القوس والسهم
*ニバーラは「矢の製造業、矢作り職」という業種名。なお「矢」という意味の السهم [ sahm ] は標準的カタカナ表記はサフムながら実際にはサハムに近い発音。 - 雨戸、よろい戸:اباجور(アバージュール)→ ミスラーウ مصراع など
*أباجور [ アバージュール ] は「ランプのかさ、ランプシェード」。 - 粋な:متناسق(ムタナースィク)→ アニーク أنيق など
*ムタナースィクは「整然とした;調和した」で、お洒落だというニュアンスの「粋な」はアニークなど。 - 1階(地上階):درجة الارضية(ダラジャトル・アルディーエ)→(アッ=)タービク・(アル=)アルディー、(アッ・)タービク・(アル・)アルディー、(アッ)タービク・(アル)アルディー الطابق الأرضي、(アッ=)ダウル・(アル=)アルディー、(アッ・)ダウル・(アル・)アルディー、(アッ)ダウル・(アル)アルディー الدور الأرضي
*掲載されている語形だと「地上階」ではなく「床のレベル、床のグレード」といった意味になってしまうのですが、実際にリフォーム関連サイトなどで床材のグレードという意味で使われるなどしています。通常「~階、~フロア」という意味では طابق [ タービク ]、دور [ ダウル ] という名詞と「~番目の」序数詞や「地上の、床の、フロアの」という意味の形容詞 أرضيّ [ アルディー(ュ/ィ) ] とを組み合わせて表現。 - 井戸:عين(アイン)→ ビウル بئر
*عين [ アイン ] は標準的カタカナ化方法だとビウルになると思うのですが、実際には [ bi’r ] と「’」の部分で息を止めて声門を閉じるので、ビィルとビゥルとビッルを混ぜたような発音になります。 - お嬢さん:サイイダ → アーニサ(サイイダはご婦人という意味で既婚女性を指します。)
- 聴く:サミア → イスタマア(サミアはhear、イスタマアはlistenのような使い分けが多少あるように思います)
- キャプテン、主将:クブターン → キャーブテン(サッカーなどスポーツ選手のキャプテンは船長といった意味のクブターンは使わず、كابتن [ kābtin ] と書いてキャーブテン、キャプテンと読んでいるケースが多いです。引退して指導者になった人もキャプテンの肩書をつけます。)
- 薬指:イスバア・ラービア → ビンスィル(本には「4番目の指」という意味の熟語が載っていますがアラビア語で薬指には特有の呼び名があります)
- 小指:イスバア・ハーミス → ヒンスィル(本には「5番目の指」という意味の熟語が載っていますが小指特有の呼び名があります)
- 結晶:タブラウル → ビッラウル
- 高速道路:タリーク・アーム → タリーク・サリーウ(アームは正しくはm2個のアーンムで、タリーク・アーンム=公道という意味です)
- 五角形:ムダッラア → ムハンマス(ムダッラウは「多角形」という意味です)
国民:ウンマ → ムワーティン、複数形はムワーティヌーン(ウンマは「共同体」の意味で、国民国家の枠ではなくイスラーム共同体などを指すのに使います) - 山賊:ハッラーミー → ファッラーク(ハッラーミーは正しくは小さい「ッ」が入らないハラーミーで口語的な「泥棒」の意味の語になるため山賊というニュアンスは持っていません)
- 思春期:ムラーヒク → ムラーハカ(ムラーヒクだと思春期の子供本人を指します)
- CD:ディースク → ウストワーナ/ウストゥワーナ
- 地味な:ガイル・ジャミール(美しくない)→ サーザジュなど
- 社会:ジュッムイッヤ → 学術的標準表記:ムジュタマア、文語アラビア語的な発音:ムジュタマウ(ジュッムイッヤ自体標準的なカタカナ表記ではなくジャムイーヤで、ジャムイーヤの方の意味は「集団、団体、組織」といった感じでなんとか協会の類を指すのに使います)
- シャンデリア:アザーズ → スライヤー(アザーズは「ガラス」を意味する口語のイザーズの読み違いだと思うのですが、シャンデリア自体はスライヤーを通常使います)
- 昇天:ターリア → イスラームにおけるミーラージュ(ミゥラージュ、ミィラージュ)、キリスト教におけるスウードなど(掲載されているのは「昇っている」という意味の能動分詞ターリウのことかと)
- スペースシャトル:サフィーナト・カウミィヤ → マックーク・(ア)ル・ファダー(カウミィヤはカウニーヤのタイプミスで、宇宙人とかが乗っている宇宙船サフィーナ・カウニーヤのn部分がmで誤記されたものだと思います。ちなみにシャトル類は通常マックークが使われます。シャトル外交といった造語に使う形容詞は派生語であるマックーキーを使用。)
- 税関:ルスーム・ジュムラキィヤ → ジュムルク(口語ではジャムラキーヤなどと発音することもありますが文語ではジュムルキーヤです。ルスーム・ジュムルキーヤは「関税」という税金の意味で、「税関」の方はジュムルクを使います。)
- 田:ハクーラト・アルズ → ハクル・アルッズ(アルズは「杉」の意。なお畑はハクーラ、ハクーラトではなくハクルの語形を使用。)
- 祖先:ジャッド → アジュダード、サラフなど(ジャッド単体だと通常祖父の意味で、複数形のアジュダードにして先祖を指すことが多いと思います)
- 大聖堂:カニーサト・ウスカフィイヤ → カーティドゥラーリーヤ(ちなみにウスカフィイヤは「主教の」という意味の形容詞ウスクフィーの女性形ウスクフィーヤを意図したものですがつける母音が違っています。カニーサ・ウスクフィーヤは episcopal church(聖公会、英国協会)の訳として使用、大聖堂は cathedral に当て字をしたカーティドゥラーリーヤと区別をする模様。)
- ダーリン:アズィーズ → (男性に対して)ハビービー、(女性に対して)バビーバティー(アズィーズ=親愛なるですが、ダーリンという意味で愛しい相手に呼びかける時はハビービー、ハビーバティーが近いです。darling や my love に対応するのがハビービー、アズィーズは dear どまりかと。)
- 中学校:マドラサト・ウーラー → マドラサ・イウダーディーヤ(ウーラーは第1の・初などのといった意味で、日本の単語集などでは中学校というとイウダーディーヤで載っているのが一般的です)
- 通信:ミハーバラ → イッティサール(通信という意味ではイッティサールの方が広く使われているように思います。なおミハーバラはムハーバラの方言発音をカタカナ化したものかと。ムハーバラは複数形のムハーバラートだと諜報部の意味でよく使われますが、地域によっては電話通話のことをムハーバラを表現する場合あり。)
- つかまえる:イクタタファ → アムサカ(イクタタファ→ イフタタファは通常「略奪する・誘拐する」という意味で使います。ひっつかんでつかまえる・つかむ方はアムサカなど。)
- 伝言:マクトゥーバ → リサーラ(リサーラは「メッセージ、伝言」で、マクトゥーバは何か筆記で書かれた手紙やメッセージなど)
天井桟敷:サーラト・アルク → シュッラーファ(サーラト・アルクはギャラリーといっても展示室という意味の方のサーラ・アルドを誤植したものかなと思います)
搭乗員、乗務員:マッラーフー → ターカム(マッラーフーはマッラーフ=船員・飛行士の複数形から語尾を取り除いて属格(所有格)支配する「~の船員」という構文になる時だけの語形で単数はマッラーフ、複数形はマッラーフーン(マッラーフーナ)としますが、通常色々な乗り物の乗務員・クルーはターカムという表現が多用されているように思います) - 童話、おとぎ話:ヒカーヤト・ジャンニィヤト → 童話=キッサトゥ・ル=アトファール、おとぎ話=キッサ・ハヤーリーヤもしくはキッサ・フラーフィーヤ(ジャンニィヤトはジンニーヤの母音間違いで「女のジン、女の悪魔」という意味の名詞を意図したものだと思うのですが、キッサトゥ・ル=ジンニーヤはフェアリーテールの訳として使われるだけでなく怖い女モンスターが出てくるホラー・怪談という意味で使われたりもしているようです)
- 特集、特別記事:マカール・ムヒンム → マカール・ハーッスもしくはマカーラ・ハーッサ(ムヒンム=重要な、マカール・ムヒンム=重要記事)
- 特殊部隊:ファダーイー → クーワート・ハーッサ(ファダーイーは自己を犠牲にするパレスチナ解放闘士フィダーイーの母音つけ違いですが特殊部隊という意味ではないです)
- 独身:ムフラド → ウズーバなど(独身であることはを示す名詞はウズーバなど、男性が独身であることを示す形容詞はアアサブ/アァザブ、ムフラド=単独の、単身の、1人でいる)
- となりの:バアド → ムジャーウィル(バアダはnextという意味で道を案内する時とかに◯◯の後にあるよ=となりにあるよ、といったニュアンスで使ったりしますが基本的には「~の次の・~の後」のという意味で、「となりの」という形容詞はムジャーウィルなどです)
- とらねこ:キット・アスファル → tabby cat=キット・ムハッタトもしくは(キット・アスファルは黄色っぽい毛色の猫という意味で、茶トラなどの黄土色っぽい毛色に使うようです)
- ドレス:タウブ → フスターン(元のthawb/thaubをサウブではなくタウブとカタカナ表記したものですが、サウブ=服、男性用のオバQスタイルワンピースといったニュアンスで女性用ドレスはフスターンなどを使う感じです)
- 内容:ファフラス → ムフタワー、ムフタワヤート、マドゥムーンなど(ファフラスはフィフリスの方言読みで、意味は「索引、目次」です)
- 長い間:ザマーン → ファトラ・タウィーラ、ワクト・タウィール(ザマーンは「時間、昔」といった意味ですが、口語では「長い間会わなかったね」という会話で「ザマーン」を使ったりします)
- 中指:イスバア・ターリト → ウスター(中指にはアル=ウスターという専用の呼称がありますが、この本ではイスバウ・サーリス=第3番めの指のthālithをターリトとカタカナ化したイスバア・ターリトを掲載しています)
- 仲人、媒酌人:アンム → 男性仲人:ハーティブもしくはワスィート・(ア)ッ=ザワージュなど、女性仲人:ハーティバもしくはワスィータ・(ア)ッ=ザワージュなど(アンム=父方おじ)
- なでしこ:ザハル → カランフル(ザハルもしくはザフルは単に「花」の意で、アラビア語だと同じナデシコ科ナデシコ属のカーネーションと同じ語を用いるようです)
- なに?:マー → マーもしくはマーザー(「なんです?」的なセリフだとマーではなくマーザーを使うのが一般的だと思います)
- 生ビール:ビーラト・ナイヤ → ビーラ・ミン・バルミールもしくはビーラ・ミナ・ル=バルミール(ナイヤは「生の」という形容詞の女性形ニーヤの口語発音ですが、生ビール=draft beer自体は樽から直接注ぐビールという意味でミン・バルミールもしくは定冠詞をつけてミン+アル=バルミール→ ミナ・ル=バルミールと書かれたりするようです)
- なるほど!:タブアン → なるほど分かりました:ファヒムト(ゥ)など(タブアン=もちろん、当然だ)
- なんと!:マー → ヤ・サラームなど(「なんと!」とびっくりして叫ぶ時には「マー!」と叫ぶのではなく「ヤー・サラーム!」「アッラーアッラーアッラ~!」などと声を上げたりします)
- 日曜大工:ナッジャール・ヤウム・ル・アハド → イフアルハー・ビ・ナフスィカ(まんま「日曜日の大工さん」という訳語で載っていますが、日曜日が平日のアラブ世界でこのような表現は使わず日曜大工=DIYのdo-it-yourselfをアラビア語化したイフアルハー・ビ・ナフスィカがあるそうで、口語発音はイフアルハー・ビ・ナフサックになります)
- 布、布地:ナスィージュ → クマーシュ(ナスィージュ=織物、繊維)
- 願いごと:ラグバ → ウムニーヤ(ラグバ=「願望、欲望、欲求」で願いごととはまた別で、「~しますように」という祈願や願いごとはウムニーヤの方を使います)
その他
他の語を使った方が良いのでは、という例など。
- 葦:قصبة(カサバ)→ カサブ قصب
*カサバだと1本だけの葦を指します。葦という植物の名称や葦が何本も生えている草むらについては集合名詞単数化機能のある ة(ター・マルブータ)を取る必要があります。 - あじさい:【空欄】→ ウルタースィヤー أرطاسيا、クービーヤ كوبية、クーブルマー / クーブ・ル=マー / クーブ・アル=マー كوب الماء
*本では該当語無しとの判断からか空欄になっていますが、あじさいの訳語は何種類か存在しています。 - 明日:غدا (ガダン)
*「明日に」という副詞的な意味では غدا [ ghadan ] [ ガダン ] ですが、「明日(という日)」という意味や「明日の・未来の若者たち」といった複合語で使ったりする場合は名詞語形に定冠詞をつけた الغد [ ’al-ghad ] [ アル=ガド ](アル=ガド、アル・ガド)を使う必要があります。 - 味わう:طعم(タイマ)
*食べ物や物事を味わうという広い意味で使うのは تذوق [ tadhawwaqa ] [ タザウワカ ] など。タイマはあまり聞かないです。 - 穴:خزق(ハズク)
*ハズクは「服が破れてできた裂け目、穴」。それ以外の穴としては サクブ ثقب、スグラ ثغرة など。 - 穴馬:الشخص الذي يحرز فوزا لا يتوقع منة(アッシャフス・アッラズィー・ユフラズ・ファウザン・ヤタワッカア・ミンニ)→ アル=ヒサーン・アル=アスワド、アルヒサーン・アルアスワド الحصان الأسود
*掲載されているのは「予想されていない勝利を獲得する人、予期されない勝利を成し遂げる人」という穴馬の定義をアラビア語で示した文章ですが、誤字と動詞の語形や人称代名詞部分などの読み違いがあり الشخص الذي يحرز فوزا لا يتوقع منه [ アッ=シャフス・ッラズィー・ラー・ユフリズ・ファウザン・ラー・ユカワッカウ・ミンフ ](アッ=シャフス)への訂正が必要かと。なお現地では英語の dark horse(ダーク・ホース)をそのままアラビア語化した「黒い馬」という意味の الحصان الأسود [ アル=ヒサーヌ・ル=アスワド ](アル=ヒサーン・アル=アスワド、定冠詞を抜くとヒサーン・アスワド)が使われているので、そちらを使った方が良いように思います。 - 安定した:وطيد(ワティード)
*ワティードは「堅固な、揺るぎない」で、変化やぶれが少なく安定している方は مستقر [ ムスタキッル ]。 - アンモナイト:【空欄】→ アームーニーヤ آمونية など
- いか:كلماريا(カラマーリヤー)
*外国語名への当て字としては كلماري [ カラマーリー ] の方がよく聞くように思います。アラビア語名だと حبار [ ハッバール ]。 - 生け垣:سياج(スィヤージュ)
*スィヤージュのみだと鉄製の柵などを指していることも多く、سياج عشب [ スィヤージュ・ウシュブ ](草の垣根)や سياج أخضر [ スィヤージュ・アフダル ](緑の垣根)のような表現にすると生け垣に限定することが可能。 - いせえび:لبستر(ルブスタル)
*厳密にはイセエビとロブスターは別の種に分類されるため、日本関係サイトだとイセエビ(伊勢海老)を الكركند الشائك الياباني [ アル=カルカンドゥ・ッ=シャーイク・ル=ヤーバーニー ](分かち書きをするとアル=カルカンド・アッ=シャーイク・アル=ヤーバーニー)といった名称で紹介しています。 - いそぎんちゃく:حيوان بحري اسطواني الشكل(ハヤワーン・バハリィ・アストゥワーニー・アッ・シャクル)→ シャカーイク・アル=バフル、シャカーイク・アル・バフル、シャカーイク・アルバフル شقائق البحر、シャカーイク・ヌウマーン・アル=バフル、シャカーイク・ヌウマーン・アル・バフル、シャカーイク・ヌウマーン・アルバフル شقائق نعمان البحر
*いそぎんちゃくの定義「円筒状の形をした海の生物」をアラビア語化したもの。標準的カタカナ表記はハヤワーン・バフリー・ウストワーニー・アッ=シャクル。バフリーは実際にはバハリーに近く聞こえますが、アストゥワーニーは母音のつけ違いで正しくはウストワーニー。口語(方言)発音の場合はアストワーニーと語頭に母音aをつけるのではなく母音iをつけたイストワーニーになる方言が多いかと思います。ちなみにアラビア語名は英語の sea anemone の直訳で شقائق البحر [ シャカーイク・ル=バフル(実際にはバハルに近い)] もしくは شقائق نعمان البحر [ シャカーイク・ヌウマーニ・ル=バフル(実際にはバハルに近い)]。 - いたずら:شر(シャッル)
*シャッルは「悪;悪事;災い;悪意」といった意味で使用。ドッキリカメラ的な相手をかついで驚かせるいたずらは مقلب [ マクラブ ]。 - いたるところ:في كل مكان(フィー・クッル・マカーン)
*文語では格変化があるのでフィー・クッリ・マカーンと発音します。 - 一瞬:فوري(ファウリー)
*掲載語は「即座の、一瞬の」という意味の形容詞。ほんのわずかな短い時間という意味の名詞「一瞬」対応するのは لحظة [ ラフザとラハザの中間のような発音 ](ラフザ)。 - いとこ:ابن عم(イブン・アンム)
*スペースの都合で一種類しか載っていませんが、アラビア語特に文語では「男の父方いとこ1人」「男の父方いとこ2人」「男の父方いとこ3人以上」「女の父方いとこ1人」「女の父方いとこ2人」「女の父方いとこ3人以上」「男の母方いとこ1人」「男の母方いとこ2人」「男の母方いとこ3人以上」「女の母方いとこ1人」「女の母方いとこ2人」「女の母方いとこ3人以上」それぞれに合わせてパーツや語形を入れ替え、しかもそれぞれに関して主格・属格・対格に格変化させる必要があるため、相当な数の発音バリエーションとなります。掲載されている ابن عم [ イブン・アンム ] はそのうちの男の父方いとこ1人」。 - 首:ウクド → ウヌクもしくはラカバ
- 競馬:スィバーク・フスン → スィバーク・(ア)ル・ハイル(通常競馬という意味で使う馬は حصان [ ヒサーン ] の複数形 حصن [ フスン ] ではなく、集合名詞の خيل [ ハイル ] が使われます)
- 子会社:ターナウィ → シャリカ・タービア
- 古典的な:バリーグ → イッティバーイー、クラースィーキー(バリーグは「重大な;雄弁な」という意味です)
- このごろ:フィー・ヤウマン・ハーザー → フィー・ハーズィヒ・(ア)ル・アイヤーム
- 菜園:ハクーラ → ハクル
- シャワー:ラシャーシュ → ドゥッシュ、ドゥーシュ(正しくはラシャーシュではなくラッシャーシュという発音になりますが、シャワーという意味ではあまり使われず散水機とか機関銃を指すのに使う方が多いと思います)
- 自由形:ティラーズ・ホッリ → フッリー(ホッリは口語発音から派生したカタカナ表記から語末の長母音を抜いたものです)
- 受話器:ジハーズ・アル・カティート → サンマーア(ちなみにアラビア文字表記通りだとアル・カティートではなくイルイティカートと書いてあります)
- 上品な:ムカッラル → アニーク、ラーキーなど
- ジョギング:ハッザ → ハルワラ、ラクド
- 食欲:シャフワ → シャヒーヤ(シャフワもありますがシャヒーヤの方がメジャーだと思います)
- 診療所:ムスタウサフ → イヤーダ(現地で広く使われているのはイヤーダの方な気がします)
- 森林:フルシュ → ガーバ(森という意味で一般的なのはガーバの方だと思います)
- 多数:サワード → アダド・カビールもしくはアグラビーヤ(アダド=数、カビール=大きなの組み合わせで多数と表現、多数決という時の多数派という意味ではアグラビーヤを使うことが多いと思います)
- 提携:ハッタト・ムアターワン → タアーウン(本に書かれたخطط متعاونの実際の用例が無いので何を意図して書かれた訳語なのかは不明ですが、もしかしたら提携案・協力案=フッタ・タアーウンのことかな?と思います)
- 手柄:アマル・ブトゥーリ → マフファラ、マァサラなど(アマル・ブトゥーリー=英雄的行為)
- 鉄棒:カディーブ・アフキィ → 鉄の棒という意味ではカディーブ・ハディーディーもしくはカディーブ・ハディード、体操棒という意味ではカディーブ・(ア)ル・ジュンバーズ(アフキィの正しい発音はウフキーで「平行な」という意味ですが、体操の鉄棒としては)
- 伝記:スィーラト・アウ・タルジャマ → スィーラもしくはタルジャマ(スィーラト・アウ・タルジャマはスィーラ=伝記もしくはタルジャマ=伝記と同じ意味の違う語をアウ=もしくは でつないであるだけで、スィーラ・アウ・タルジャマ全部セットで伝記という意味になる訳ではありません)
- 同人誌:マジャッラト・スフバト・アーダーブ → ドゥージーンシー(いわゆるアニメや漫画の同人誌についてはそのまま外来語でアラビア語化されているようです)
- 登山:タサッルク・アジュバール → タサッルク・ジバール(登山という表現では山の複数形はアジュバールではなくジバールの方を使います)
- 跳ねる:ナッタ → カファザ(跳躍するという意味ではカファザの方が多用されていると思います)
- なまめかしい:ガンドゥーリー → ガニジャ(ガニジュの女性形)、ミグナージュ、ラウーブなど(ガンドゥーラは「数々の魅力を兼ね備えた女性、綺麗な・美人な女性、あでやかな女性」、ガンドゥールは「ダンディーな男性、伊達男」、ガンドゥーリーは「セクシーな、色っぽい、ダンディーな、あでやかな」という意味の男性形ですがなまめかしい、男性に媚びを売る動作をするといった形容詞は上に記した物が文語的のようです)
- 入力:マドフラート → パソコンなどでの入力:イドハール、色々な意味でのインプット:ムドゥハラート(マドフラートではなくムドゥハラート[ mudkhalāt ]という発音です)
- 人魚:ビント・ル・バハル → フーリーヤト・ゥ=ルバフル(もしくはバハル)(ビント=「娘、少女」、バフルもしくはバハル=「海」ですがmermaidのアラビア語訳は通常上記の通りでフーリーヤ=「天女;妖精」)
- 妊娠:ハーミル → ハムル(ハーミルは女性が妊娠しているという意味の形容詞、ハムルの方がpregnancyに対応する動名詞です)
旧版
13か国語でわかる新・ネーミング辞典 編:学研辞典編集部 アラビア語部分執筆協力:菅瀬 晶子、豊泉 麻衣子(敬称略) 出版社:学研プラス |
新装版
13か国語でわかる 新・ネーミング辞典 新装版 編:学研辞典編集部 アラビア語部分執筆協力:菅瀬 晶子、豊泉 麻衣子(敬称略) 出版社:学研プラス |