サービス名
Mango Languages（マンゴー ランゲージ）
公式サイト
https://mangolanguages.com/
対応OS
Windows、iOS、Android
Mango Languagesのアラビア語コースについて
Mango Languages（マンゴーランゲージ）は会話スキットをベースに単語・文法・文化慣習を学べるシステムです。現代標準アラビア語（MSA、フスハー）以外にもエジプト方言、レバント（＝レバノン周辺）方言、イラク方言コースがあります。
無料で一部お試しできますが、課金しないと全部を学習することはできません。iOSの場合アプリ内課金による料金は2020年8月現在で1言語のみだと850円/月、全言語フリーアクセスだと1900円/月です。メールアドレスを登録してユーザーアカウントを作るので、課金をすればWindowsパソコンでもAndroidタブレットでも追加料金無しに利用することができました。
自分が利用したのはフスハーコースとエジプト方言コースです。方言コースもニューエクスプレスを1冊やるぐらいのボリュームはあるのですが、フスハーコースはもっと充実していてユニット数が多く、アラブのエチケットや迷信について学習する特別編もついています。
機能と内容
MSA（フスハー）コースです。ユニット数は4つ。暇な時にしか取り組めない人にとっては結構多いかもしれません。取り組む時にボタンを押して端末内にレッスンデータをダウンロードしていく方式ですが、Download Allを押せばオフラインでも複数のレッスンを学習することができます。
まず最初に会話スキットを聴いて、その後で単語を学習していく形式です。
このサンプル画像にもあるように、母音記号が見切れてしまっている箇所がかなりありました。母音記号自体は最初の頃はかなりふってあるのですが、次第に減っていきます。
時々ですがこんな感じで表示がおかしくなっている部分も…
設定画面です。NarratorをONにすると、女性が英語でレッスン進行をしたり文法・文化学習部分を読んだりしている音声が流れレッスンの進行役を務めてくれます。Auto Playはこちら側が操作しないでもレッスン内容をまとめて流してくれる機能です。
会話スキットに出てきた表現を学習していきます。単語に分解した状態→熟語になった状態→1文の状態と段階を踏んで暗記していくようになっています。単語帳をめくるように、音声を聴きながらただただひたすらめくって覚えていく方式です。テスト機能や苦手な部分にチェックを入れて後からおさらいする機能はありません。
訳は直訳と意訳の切り替えが可能です。それぞれの語が色分けされていて、英語の文中のどこと対応しているか確認できるようになっています。また指で単語をタップすると発音が流れ、読み方が英字で表示されます。読み方のルビは発音記号の類ではなく、لهذا（リハーザー）がliHEHthaとなっていてすごく分かりにくいです。
単語や熟語を暗記している最中に文法解説が入ります。あまり詳しいものではなく、あくまで会話の補助として紹介される感じです。ニューエクスプレスレベルに近い初心者向けのシンプルさでちょうど良いのではないでしょうか。
アラブの文化や慣習に関する学習もできます。
音声
Duolingoと違って非常に良いと感じたのはこのアプリが全部ネイティブが吹き込んだ音声教材だった点です。
現代標準アラビア語（MSA、フスハー）のコースはアクセントからすると男性・女性ともにエジプト出身の方がナレーションをしているように思いました。
感想
Duolingoのアラビア語コースが開設される前、欧米の学習者向け情報交換フォーラムでレビューを見て利用するようになりました。
ページをめくって同じ単語・熟語・短文を何度も何度も繰り返す単調な学習システムなので、Duolingoのように採点してもらってポイントをためながら楽しくアラビア語に触れたい方には物足りないかもしれません。
内容は非常に実用的で満足できるものでした。フスハーコースもおおむね問題はありませんでしたが、ハムザの台が間違っていたり、動詞の目的語で対格になっている非限定名詞にアリフを書き足してあったり・いなかったりバラバラということもありました。それに目をつぶれば十分利用価値のあるシステムだったという気がします。
自分はDuolingoはアラビア語的に違和感が大きくどうしても苦手で続けられませんでしたが、こちらは無事に完走することができました。
英語圏で出ているアラビア語学習コンテンツは英語による長い解説授業を聴かなければならない物が多いのですが、このMangoは英語ナレーションをOFFにできるのでアラビア語既習者が英語を一切聴かずに勉強できて良かったです。
