アラビア語の数字について
アラブ世界独自の数字ではなくインドから輸入された
『アラビア語アルファベットの書き方と読み方のしくみ』でも紹介していますが、現在アラビア語で使われている数字
۰ ۱ ۲ ۳ ٤ ٥ ٦ ۷ ۸ ۹
はインド方面から輸入されたもので、日本の中東関係業界では「インド数字」と呼ぶことが多いです。
近年ではiPhoneの普及とiOSにおける時計表示の多言語化が進み、一般の方については「アラビア・インド数字」の方が身近なネーミングになってきているかと思います。
「۰ ۱ ۲ ۳ ٤ ٥ ٦ ۷ ۸ ۹」自体はアラブ世界の東側で一般的だった形状で、アラブ世界の西側でさらに形を変えて伝わりグバール数字となり、そのグバール数字の方が現在世界各地で使われているアラビア数字(算用数字)の元になったとされています。
アラビア語ができアラビア文字を使った筆記のルールが整備されてからインドから輸入され整備されたということで、アラビア文字で書かれた右から左につづっているアラビア語の文章でそこの部分だけが左から右への逆方向につづられます。
このページはアラビア文字の書き方コーナーの一環ということで、0から10までのインド数字について書き順を紹介しています。
インド数字についての詳細はこちらから
『アラビア語の数字(インド数字)について』
当サイト内のコンテンツです。インド方面から輸入された数字が改造された過程、西方アラブ世界で形を変え我々が使っているアラビア数字の原型としてヨーロッパに伝わった経緯、0から10までの数字の名前・発音などを紹介。
アラビア語で使う数字は「インド数字」と呼ばれるが「アラビア語の数字」といった名称もありまぎらわしい
日本のアラビア語業界ではアラビア語の数字を「インド数字」と呼ぶことが多い
アラビア語の数字はインド方面から輸入されたことから、日本のアラビア語教育・学習界隈ではアラビア語における昔からの名称
اَلْأَرْقَام الْهِنْدِيَّة
[ ’al-’arqāmu-l-hindīya(h) ] [ アル=アルカーム・ル=ヒンディーヤ ]
分かち書きカタカナ表記:アル=アルカーム・アル=ヒンディーヤ
意味:インドの数字、インド数字
を和訳して、主に「インド数字」その他には「ヒンディー数字」などと呼ぶことが広く行われてきました。
近年ではiPhoneの普及とiOSにおける時計表示の多言語化が進み、一般の方については「アラビア・インド数字」の方が身近なネーミングになってきているかと思います。
アラブ世界におけるインド数字とアラビア数字の呼び方
現在アラビア語で使われている数字はインドから輸入されたもので
اَلْأَرْقَام الْهِنْدِيَّة
[ ’al-’arqāmu-l-hindīya(h) ] [ アル=アルカーム・ル=ヒンディーヤ ]
分かち書きカタカナ表記:アル=アルカーム・アル=ヒンディーヤ
英語名:Arabic-Indic Numerals
和訳:インド数字、ヒンディー数字、アラビア・インド数字
という名称が昔から使われてきました。
このような名称でアラビア語の数字を表現する場合、欧米や日本などで広く使われている算用数字は
اَلْأَرْقَام الْعَرَبِيَّة
[ ’al-’arqāmu-l-‘arabīya(h) ] [ アル=アルカーム・ル=アラビーヤ ]
分かち書きカタカナ表記:アル=アルカーム・アル=ヒンディーヤ
意味:
【アラビア語のインド数字と対比】
(1)アラビア数字(英語などの算用数字のこと)、Arabic Numerals
【英語の算用数字と対比】
(2)アラビア語の数字、Arabic-Indic Numerals
と呼んで区別していますが、直訳すると「アラビアの数字」「アラビア語の数字」となるので、アラブ世界では上記の(1)に相当する英語などにおける算用数字である「アラビア数字」ではなく(2の)アラビア語文の中で使う数字である「インド数字」を指して「アル=アルカーム・アル=アラビーヤ」と言っているケースも少なくないので、かなりまぎらわしかったりします。
(2)のように「アラビア語文で使う数字、アラビア語の数字」という意味で اَلْأَرْقَام الْعَرَبِيَّة [ ’al-’arqāmu-l-‘arabīya(h) ] [ アル=アルカーム・ル=アラビーヤ ](アラビア語の数字)と言っている場合は、算用アラビア数字の方が اَلْأَرْقَام الْإِنْجِلِيزِيَّة [ ’al-’arqāmu-l-’injilīzīya(h)/’ingilīzīya(h) ] [ アル=アルカーム・ル=インジリーズィーヤ/インギリーズィーヤ ](英語の数字)と呼ばれるなどしています。
ややかしこまった表現・日本の中東関係者が通常行っている呼び分け
- اَلْأَرْقَام الْهِنْدِيَّة
[ ’al-’arqāmu-l-hindīya(h) ] [ アル=アルカーム・ル=ヒンディーヤ ]
アル=アルカーム・アル=ヒンディーヤ
インド数字(アラビア語の数字) - اَلْأَرْقَام الْعَرَبِيَّة
[ ’al-’arqāmu-l-‘arabīya(h) ] [ アル=アルカーム・ル=アラビーヤ ]
アル=アルカーム・アル=アラビーヤ
英語名:Arabic Numerals
アラビア数字(英語などの算用数字)
アラブ世界でよく使われる名称
- اَلْأَرْقَام الْعَرَبِيَّة
[ ’al-’arqāmu-l-‘arabīya(h) ] [ アル=アルカーム・ル=アラビーヤ ]
アル=アルカーム・アル=アラビーヤ
アラビア語の数字(いわゆるアラビア文字に混ぜて使うインド数字のこと)
*上のケースと違って海外のアラビア数字ではなくアラビア語のインド数字を指すあべこべの呼称なので要注意。 - اَلْأَرْقَام الْإِنْجِلِيزِيَّة
[ ’al-’arqāmu-l-’injilīzīya(h)/’ingilīzīya(h) ] [ アル=アルカーム・ル=インジリーズィーヤ/インギリーズィーヤ ]
アル=アルカーム・アル=インジリーズィーヤ、アル=アルカーム・アル=インギリーズィーヤ
英語名:Arabic Numerals
英語の数字(いわゆるアラビア数字、算用数字のこと)
アラビア語の数字一覧表
こちらがいわゆる現代アラブ世界で使われているアラビア語の数字(インド数字)です。
| 4 | 3 | 2 | 1 | 0 |
|---|---|---|---|---|
| ٤ | ٣ | ٢ | ١ | ٠ |
| 9 | 8 | 7 | 6 | 5 |
| ٩ | ٨ | ٧ | ٦ | ٥ |
アラビア語の数字(インド数字)の名称と書き順
書き順ビデオが下の方にありますので、こちらでさっと確認してから動画で見るのが覚えやすくて手っ取り早いかと思います。
0
ただの点を1個書きます。見本はカリグラフィーペンで書いた書体なので四角く見えますが、鉛筆で書いた場合は「・」の形になります。
1
少し傾いた縦線を書きます。
2
丸いおわん(英語におけるアラビア数字「2」の底部分を長くして、90°回転させた形)を書いて、その左端から少し傾いた縦線をのばします。
手書きではおわんではなく丸い山の形になるのが一般的です。お店の手書き値札では左下の「手書きの形」のようになるので要注意です。
3
英語におけるアラビア数字の「3」を90°回転させた形を書いて、その左端から少し傾いた縦線をのばします。
手書きでは倒した3にしっぽが生えたような形ではなくただのおわんにしっぽがついている形になるのが一般的です。活字体の2「٢」と全く同じ形になるので、手書き値札を使っている店で買い物をする時は読み間違えないよう注意が必要です。
4
英語の「w」を90°回転させた形に似ています。上からジグザグを書きます。
5
◯に近い形を時計回りに書きます。真ん丸ではなく少しだけおにぎりのようにします。
紛らわしいですが
6
少しだけそり返った屋根を書いたら、右端から斜めに傾いた縦線を垂らします。
7
少しだけカーブしたVの字を書きます。
8
7「٧」を上下反転させた形、逆さまのVを書きます。
9
アラビア数字「9」とほぼ同じ形です。下からスタートして時計回りに1回転し、そのまま斜めに傾いた縦線を書きます。
10
10以上の数字は日本語のアラビア数字同様、0~9までの数字を組み合わせて表現します。10では10の位の1を左、1の位の0を右に置きます。
オリジナル動画集
アラビア語の数字(0から10まで)の名前と形を覚えよう
0から10までの数字の名前を読み上げた後に書き順アニメが流れます。
数字(0~10)の名前と書き順~オリジナル版
数字(0~10)の名前と書き順~YouTube版
(2025年11月 アラビア数字とインド数字という呼び分けについて表現を一部変更)












