アラビア語学習やウェブサイト閲覧に使う端末を比較してみました。それぞれの長所・短所をまとめてありますので、大学入学前の端末購入等の参考にしていただければ幸いです。
パソコン
昔まだスマホやタブレットが無かった時代はアラビア語で何かをするにはパソコンが必要でした。最初の頃はMacでないとアラビア語がまともに入力できずWindowsはマイナーな存在でしたが、Windows XP、7とバージョンが挙がっていくにつれすっかりWindowsの方が便利になってしまい形勢は大逆転。
Macはキーボード配列が違いますし、Windowsでしか入手できないソフトも多数ありますので、パソコンを買うなら絶対にWindowsだと断言できます。
パソコンは
- 学習サイトや動画サイトでまだ使われているFlashムービーを正常に再生できる。
- キーボードを使って長い文章を早打ちしていくには向いている。
のですが、日本で買ったキーボードにはアラビア文字が書かれていませんし、タブレットに比べて母音記号や数字を入力する手順がすごく面倒です。ブログを書いたりメールやチャットをしたりするなら、スマホやタブレットの方が良いです。
タブレット
大きな画面でネット検索したり、ニュースを読んだり、テレビを見たり、電子辞書代わりに使ったりと大活躍なのがタブレットです。当方も今はタブレットばかり使っています。
タブレットには無線LANが届く範囲内でのみ利用でき主に家庭内で使われることが多いWi-Fi専用モデルと、外出先でもさっと取り出して使える4G/LTE通信可能なSIMカードスロット付きモデルとに分かれます。スマホを親機代わりにするテザリングをすればWi-Fi専用モデルでも外で使えますが、通信スロット付きタブレットの利便性には及びません。
SIMフリーモデルは割高なので敬遠される方も多いかもしれませんが、格安プランを提供しているデータ通信会社の安い1000円プランカードを入れれば済むので、携帯電話会社のモデルを買うよりも結局のところ安上がりになるのではないかと思います。
タブレットの利点は
- スマホと違いパソコン向けデザインのサイトを閲覧するのに向いている。
- 画面を横長に置いた時にキーボートが大きく表示されるので入力が楽。
- 紙の書籍をスキャンして電子化する場合、10インチタブレットなら拡大無しで読める。
タブレットと言っても、iOS、Android、Windowsベース別にそれぞれ得意分野が違います。自分の場合、読書・学習アプリ・辞書がiPadで、テレビの視聴はAndroidといった具合に使い分けています。
iPad
iPadは価格が高いのが難点ですが、学習に用いるなら断然Androidタブレットにまさります。これからアラビア語を勉強するつもりでタブレットを購入されるということであれば、絶対にiPadを買うようおすすめします。
- アラビア語キーボードの追加設定が楽。
- キーボード配列は「アラビア語」だとマック配列だが、「アラビア語(PC)」だとWindowsと同じIBM系の配列が出てくるので、パソコンでブラインドタッチしている人の早打ちに向いている。
- キーボードの母音記号入力メニューが見やすく使いやすい。
- 辞書やテレビ・ラジオ視聴のアプリが豊富だがAndroid版が無い物が多い。
- 古めのページだとSafariやChromeのブラウザで日本語が文字化けする(Puffinブラウザでなら読める)。
- Flashムービーには対応していないが、再生機能を持ったブラウザ(Puffin)などを入手できる。
- メモリーカードスロットが無いので、電子書籍や語学学習用音声ファイルを大量に入れたい場合は大容量モデルを買っておく必要がある。256GBは欲しいところ。
- 語学CDをパソコンで取り込む時、iTunesを使うだけなのでファイルの管理や転送がとても楽。
- FaceTimeのビデオ通話機能は家族・知人と使うことが多いので、アラブ人の友達や親戚がおりかつiPhone保有者がメインであればiPadで揃えておいた方が良い。
iPadの無反応問題について
ちなみに私自身が経験して困ったのは、iPadの一部モデルで起こる無反応でした。特定の世代で複数のユーザーに共通して起こるため、設計上の問題なのではないかと言われています。OSのアップデートで良くなったり悪くなったり、冬は落ち着いていたのに温かい季節になると悪化するといった報告も上がっています。
タッチしても反応しない、ガンガン叩くようにしても反応しない、充電していると無反応が悪化するといった特徴があり、キー入力もまともにできなくなることがあり非常に困ります。
少なくない数のユーザーが無反応トラブルのために本体交換を数回繰り返す羽目に陥っているようなので、iPadを購入する場合はそのモデルの口コミを検索して無反応が出にくいことを確認。さらには中古品ではなくApple Storeからの正規購入を行って保証もきちんとつけて、トラブル発生時にスムーズに交換してもらえるように準備しておくことをおすすめします。
Androidタブレット
Android搭載タブレットはとても安いので学生さんとかだとこちらを購入されているかもしれません。Androidタブレットの特徴としては
- アラビア語キーボードの設定がiPadよりは多少面倒。
- キーボードを長押しして類似文字を呼び出すのは同じだが、母音記号入力メニューがiPadよりも見づらい印象。
- アラビア語関係のアプリはAndroid版が提供されていないことも多く、学習ツールとしてはいまいち。
- iPadのようにChromeで古い日本語文字コード関係の文字化けは起きない。
- Flashムービーには対応していないが、再生機能を持ったブラウザ(Puffin)などを入手できる。
- 公式ショップの外で作成・配布されるアプリが多く、TVストリーミングのオンライン視聴に関しては圧倒的なAndroid市場となっている。
- メモリーカードスロットがあるので音楽や書籍を入れておくことができる。ただしカードでメモリ容量を増設しても、そこにアプリをインストールできる訳ではないので、購入時はある程度のディスク容量を選ぶ方が良い。
- iPadと違ってパソコンからのファイル転送やタブレット内のファイル管理手順が面倒。
Windowsタブレット
タブレットの形をしているだけで、中身はそっくりそのままWindows 10とかが入っています。タブレットモードなる物もあってスクリーンキーボードも出せますが、Windows PCに近いので使い勝手は良くないです。自分はFlash対応サイトを見たい時にしか使っていません。
- Windowsタブレットを買うならキーボード付きノートPCの方が使い勝手が良い。
- Windows PCのキーボード入力の不便さを受け継いでいるので、タブレット特有の旨味は少ない。
- Flashムービー再生等はすべて正常に行える。
- iOSで提供されているようなアプリが無いので活用の機会が少ない。
- 安物はとても容量の少ない物が多く、ファイルをたくさん入れられない。
スマホ
普段携帯するのはやはりスマホです。OSはタブレットと同じなのでアラビア語サイトの閲覧や文字入力の仕組みは上記の通りとなります。
タブレットとスマホで違うのは
- タブレットがパソコン向けサイトデザインを表示できる一方、スマホは基本的にスマホ向けサイトデザインの方で表示される。PC版サイトを見たい場合はChromeブラウザだとPC版サイトを表示するボタンを押す必要がある。
- 電子書籍やオンライン辞書を使う際に画面が小さすぎて使いづらい。
自分が持っているiPadとiPhoneで比較したのですが、iPadはキーボード配列は「アラビア語」だとマック配列、「アラビア語(PC)」だとWindowsと同じIBM系の配列が出てくるので使いやすい一方、iPhoneはどちらもMac配列になってしまい画面を横長に置いても変わりませんでした。
そんなこともあってアラビア語関係の作業はiPadかAndroidタブレットでばかりやっています。スマホは小さいインチ数だとキーの1個ずつが小さくなってしまうのも難点です。